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旅の剣士と見習い悪魔
 険しくそびえる山脈に一本、なだらかな丘に二本、道があった。分かれ道には小屋があり、二人の旅人が話していた。
「どうしてもいくんですか・・・・やはり、別の道を進んだ方が・・・・」
 「いや、行かせてもらう。その恐ろしい魔物とやらの力をぜひ見てみたい。」
 「ですが、何人もの人が行方不明になっているのですよ・・・特に女性が多いそうですし。」
 「心配することはない。我が名はセンデス。剣士として各地を回り、凶悪な魔物を何匹も退治している。」 
 「そうですか・・・・それではもう止めません。では、私も出発しますので、どうかご無事で・・・」
 センデスは小屋で一休みした後、次なる町へと向けて歩き始めた。途中に道が二通りあり、山脈を越える道の方がはるかに近道であった。
 だが、恐ろしい魔物の出没する危険な道であるため、ほとんどの人が遠回りをしていくのだった。剣士センデスは遠回りをせず、魔物と戦うことを選んだ数少ない人間であった。魔物を退治し、旅を楽にすることで更に自分の知名度を高めようとの考えであった。
 (さて、武器もしっかり手入れをしたし、水と食糧もまだ十分にある。魔物の出没する山脈とやらに出発するか・・・)
 センデスは山脈へ向かおうとしたが、足を止めた。
 (いけない!あれを忘れるところであった。)
 センデスは小屋に戻り、備え付けてあったトイレに入った。ゼバルド王国の街道の多くにはこのような小屋などでトイレを利用することができるが、どこにでもあるわけではない。4,5時間程度トイレにありつけないこともあるため、済ませられるときに済ませるようにしていた。
 (あまりしたくはないが、あの道ではいつでも済ませられるとは限らないしな・・・前みたく我慢できずに・・・・いや、それは違う!悪魔の仕業だったのだ!とりあえず用心するにこしたことはない、それで失敗した女騎士もいると聞くしな。)
 出すものも出し、センデスは山へと向かった。2時間ほど歩いたが、魔物の気配はなかった。安心しはじめたころ、かすかな笑い声がセンデスの耳に入った。
 フフフフフ
 「誰だ!!誰かいるのか!!姿を現せ!!」
 草むらの中から悪魔が現れた。剣を構えるセンデス。だが、悪魔は予想以上に小さかった。
 「何者だ!名を名乗れ!」
 「オイラの名前はコデスロンだよー。見習いの悪魔さ!」
 「何・・・悪魔だと・・・」
 センデスは悪魔への敗北を思い出し、身震いをした。だが、相手が小さな見習い悪魔であることからそれほど恐怖は感じていないようだった。
 「オイラも見習いの悪魔だけど人間の考えていることはわかるんだよ。オイラにここを通る人への悪戯をやめて欲しいと思っているんだね。いいけど条件があるよ・・・。オイラの遊び相手になって!」
 「遊びだと・・・・。」
 「双六遊び。それに勝ったらもうここでの悪戯はやめるよ。センデスおねえちゃんが悪魔を追い払ったということにしてあげてもいいよ。ねえ、遊ぼう。」
 (双六か・・・まあ、戦わずに勝てるのなら悪い話ではないな・・・。)
 「いいだろう。」
 「わーい!やたー。それじゃあはじめるね。」
 コデスロンはなにやら呪文を唱え始めた。すると地面に升目と数字が現れた。その後、かなり大き目のさいころが二つ出てきた。
 「このさいころで出た数だけ進んでいくんだよ。ちょうど山のてっぺんあたりが『あがり』になっている。そこに最初についた人の勝ちだよ。それじゃあ、先にサイコロを振っていいよ。」
 「私からか・・・」
 センデスはサイコロを投げた。5と書かれた面が上になってとまった。
 「5だね。それじゃあ、5枡歩いていいよ。」
 センデスは5と書かれた升目を目指して歩き始めた。コデスロンもサイコロを投げた
 「4だ。ちょっと負けているなあ・・・でも、勝負はこれからだ!」
 センデスは再びサイコロを投げた。出目は6で、六升進んだ。
 コデスロンもサイコロを投げた。出目は5だった。
 「ああ、残念、また負けてる・・・。あ、でもあのますは」
 コデスロンが新しくとまった升には「7進む」と書かれていた。
 「よし、これで一気に逆転だ!」
 (なるほど、そういう升目もあるのか・・・・)
 「さて、次はセンデスおねえちゃんだよ。」
 「わかった」
 センデスはサイコロを振った。出目は5で進んだ升目には「ココナッツジュースを飲む」と書かれていた。
 「ああ、いいなあ、ココナッツジュース。オイラも飲みたいなあ・・・」
 コデスロンがココナッツジュースを用意しながら言った。
 「残念だったな。ここに止まったのは私だ。それではいただくとしよう。」
 センデスはコデスロンの用意したココナッツジュースを一気に飲みほした。自分の用意していた水もあったが、長い道のりであったため、節約しながら飲んでいた。喉が渇いていたのだ。
 「よーし、次はオイラの番だ。今度は何か飲み物がもらえるマスに止まるぞー。えい!」
 コデスロンのサイコロの目は3。
 「ええと、このマスは・・・・えええええ!腕立て伏せを20回やる!?」
 必死になって腕立て伏せをするコデスロンを笑いながら見ていたセンデスであったが、ふと、険しい顔つきになった。何かむずかゆいような感覚が下腹部からしたためだ。
 (な、なんだこの嫌な感じは・・・まさか)
 センデスが考えたこと・・・それは。
 (尿意の前触れでは・・・)
 そう、それは膀胱に尿が溜まっている感覚であった。
 (あの小屋をでる前に済ませておいたし、水分もあまりとっていないそんなはずは・・・・・・あっ!)
 センデスは先ほど飲んだココナッツジュースのことを思い出した。
 (あれはあの子悪魔の用意したもの・・・・もしや、何かの細工を・・・。)
 センデスは悪魔デスギロンへの敗北を思い出した。そういえば、あの子悪魔もデスギロンと似ている感じがする。
 (これほどまでに急速に尿意が高まるとは・・・・やはりあの飲み物に細工があったに違いない。不覚だった・・・。)
 
 その後も勝負は続いた。差が大きくつくことはなかったが、センデスの尿意は次第に高まっていった。最初のうちは勘違いかもしれないと思い込もうともしていたセンデスだが、下腹部のむずかゆい感覚は強まる一方で、もはや尿意を認めざる終えなくなってきていた。
 「さて、次のセンデスおねえちゃんのサイコロの目は2だね。あ、そこはその場で30回飛び跳ねるだよ。」
「なぬ・・・!」
 センデスは焦った。尿の溜まっている膀胱を抱えて何度も飛び跳ねるのは、彼女にとっては酷なことであった。下手すれば膀胱の中身をぶちまけてしまう。
 (まずい・・・・どうしよう・・・。)
 迷うセンデスだった。だが、そのときはちょうど尿意の波が引いたときであった。
 (よし、早めに終わらせておこう・・・尿意がぶり返さないうちに・・・)
 その場で飛び跳ね始めたセンデス。しかし、10回目くらいで再び尿意の波が押し返してきた。
 (くうう・・・ま、まずいぞ・・・)
 振動が膀胱に伝わり、強くなる排尿欲求。だが、欲求に従うわけにはいかない。必死に尿道口に力を入れ、我慢するセンデスだった。
 (うう・・抑えたい・・・・出口を押さえてたい・・・)
 だが、それは彼女のプライドが許さなかった。だが、やっとのことで30回の跳躍を終えた後、つい、こらえきれずに、足を交差させてしまう。
 (は・・・恥ずかしいぞ・・・・だが、まだ収まらない・・・・)
 強い尿意を抑えるため、更にその場で足踏みをはじめるセンデス。
 「あらららら・・・センデスおねえちゃん、大丈夫?」
 コデスロンが言った。あわてて足踏みをやめるセンデス。
 「隠しても無駄だよ。オシッコしたいんでしょ・・・。人間の考えていることはわかるんだよー。」
 (く・・・・忘れていた・・・。)
 「お・・・・お手洗い・・・・」
 「え、何?」
 「お手洗いに行きたいのだが、どこにあるかわかるか?」
 「ああ、もう少し先にある小屋の近くにおトイレならあるよ。後、20マスくらい。そこまでの我慢だね。」
 「わかった」
 (20マスか・・・・。それくらいならなんとななるはず・・・。)
 センデスはトイレ休憩が見えたことで気持ちを落ち着け我慢が容易になったように感じた。
 

 その後もしばらく戦いが続く・・・そして、ついに・・・・。
 (あ・・・・あれは・・・・。)
 センデスの目に旅人のための小屋・・・そして、その隣にぽつんと立ってるトイレが見えた。
 (よし!もう少し!本当にもう少しだ・・・・だが、まだ油断するな・・・。その油断が命取りだったんだ!今回は子供の悪魔、絶対に負けるわけにはいかない。)
 「あ、センデスおねえちゃん!オシッコまだ大丈夫?」
 (よ・・・・余計なことを・・・・。)
 「もう少しの我慢だから頑張ってね。それじゃあ、次はおねえちゃんの番だよ。」
 センデスは尿意で体を震わせながらサイコロを振った。
 (3マスか・・・特に何もないマスだな・・・。)
 「それじゃあ、そこでしばらく休憩させてもらうから待っていてくれ!」
 センデスは言った
 「あ!駄目駄目!駄目だよ!」
 コデスロンも言った
 「何故だ!!!」
 「だって、そのマスがセンデスおねえちゃんの場所だよ。他のマスにいっちゃだめ!」
 「そ、それでは・・・・トイレにはどういけばいいんだ!!いけないというのか!?」
 「いってもいいけど・・・・2つ先のマスを見てみて。」
 センデスは升目を見た。そこには「トイレに行く」と書かれていたマスが3つあった。
 「そこに止まったら行ってもいいよ。」
 (三つのトイレマスか・・・・2,3,4を出せば止まれる。しかし、5,6が出たら、トイレを目の前にして立ち去らなければいけない・・・・考えていてもしょうがない!賭けてみるか!)
 「じゃあ、次はオイラの番だね。サイコロは3!えっと、腕立て伏せを20回やれば5進む・・・・・どうしようかな?進みたいけど、面倒だなあ・・・・迷う。」
 (は、は、早くしろ!! こっちは一刻一秒を争う事態なのだぞ!) 
 「あ、ごめん、センデスおねえちゃんのオシッコのことを忘れていた。じゃあ、はじめるね腕立て。」
 (く・・・このガキ・・・・。よし、サイコロだ!!頼む!出てくれトイレマス!!)
 センデスはサイコロを投げた。でた目は1であった。
 (1・・・・だと!!)
 夢にまでみた放尿がまた少し遠ざかってしまった。思わず尿道口を緩める。
 (駄目・・・・まだだ!! 次だ!!次で1,2,3を出せばまだチャンスはある。確率は1/2!!今度こそ絶対に大丈夫だ!! これが最後!!これが最後の我慢だ!!)
 「あら。残念だったねおねえちゃん。  それじゃあ、投げるね。」
 コデスロンはサイコロを投げ、出た数だけ進んだ。
 「トイレに行くマスだ。それじゃあ、先に行ってくるね。」
 (く・・・な、あのガキめ・・・。う、うらやましい・・・。)
 センデスはパンパンに膨らんだ膀胱を抱えながら思った。
 (さて、次は私の番だ・・・。今度こそトイレマスに・・・!)
 センデスは願いながらサイコロを投げた。出た目は4だった。
 (4・・・だって!?) 
 なんということだろう。センデスは夢にまで見たトイレに行く機会を失ってしまったのだ・・・。
 センデスは前のマスをじっくりとみた。しかし、戻るマスはなさそうだった。
 「お、おい!こ、子悪魔よ!トイレに行けるマスは他にないのか・・・!?」
 センデスは思わず、叫んだ。
 「うーん・・・なかったと思うなあ・・・。残念だけど山頂のゴールに着くまで我慢してね!」
 コデスロンは答えた。
 (そ・・・そんな・・・!)
 センデスは顔を真っ青にした。
 「山頂までは後何マスなんだ・・・?」
 「後、30マスくらいかな・・・。」
 (30・・・で、できるのか? い、いや、我慢しなくては・・・。絶対に漏らすわけにはいかない!)

スゴロク対決は続いた。センデスは奇跡的にも尿意を我慢し続けていた。膀胱はもうとっくに満杯であっただろうが、エリート剣士としてのプライドの賜物であろうか?
 (あ・・・後、10マス!! 我ながらよく我慢したものだ・・・。特に変なマスがなかったことが幸いだったな・・・。だが、少しでも油断したら大変なことになってしまいそうだ!! 気を緩めるなよ!)
 センデスはサイコロを振った。
 (6だ!! うまくいけば、次でトイレだ!! それと悪魔への勝利だったな・・。)
 センデスは険しい顔をしながらも少し喜んでいた。
 「次はボクの番! えいっ! 3だ。」
 コデスロンは3マス進んだ。
 (よし、私の番だ!! 4以上の目さえ出れば・・・!)
 センデスはサイコロを投げた。出目は3だった。
 (く・・・くぅぅ・・・・、後1マスなのに!!)
 次はコデスロンがサイコロを振る番だ。しかし、なかなか投げようとしない
 (は・・・はやくしてくれ・・・、私がサイコロを振ればどの出目でもトイレに行けるのに・・・な、何をしているのだ!)
 しばらく迷った後、コデスロンはサイコロを投げた。
 「6! やったー!6だ!」
 「終わったな! 次は私がサイコロを振るぞ!!」
 サイコロを急いで投げようとするセンデスでしたが。
 「え・・・、なんで? ボク勝ったのに?」
 (こ・・・こいつ何をわけのわからないことを!! これ以上、トイレの邪魔はさせないぞ!!)
 「でも、ボクの場所の6マス先はゴールだよ。」
 センデスは尿意の我慢に精一杯で、相手の位置を確認する余裕などなかったが、コデスロンの勝利であった。センデスもようやく理解したようだった。
 「それじゃあ、悪戯はやめないけどしょうがないよね。」
 コデスロンは言った。
 「お・・・おい、悪魔よ・・・、も、もうマスの上にいなくてもいいんだよ・・・な?」
 センデスはもう、悪戯のことなどすっかり頭になかった。とにかくトイレで排尿がしたくてたまらなかった。
 「うーん・・・そうだね、いいよ!」
 その言葉を聞くとセンデスはすぐに駆け出した。途中にあった小さな小屋を目指し、山を全速力で下っていった。
 (いそげ・・・少しでも早くトイレに・・・。)

必死にトイレに向かって走るセンデスの目の前に遂に念願のトイレが見えてきた。今度こそ、排尿ができるはずだ。
 (後、ちょっとだ!!)
 そう思った途端、強烈な排尿欲求に襲われたセンデス。その場でしゃがみこみ、踵で出口を押さえつけ、なんとか止めたが、もう限界はとっくに超えていた。
 (く・・・ここまできて失敗するわけには・・・。しょうがない!)
 センデスは右手で前を、左手で後ろを押さえ、我慢することにした。
 (エリート剣士である私がこんなかっこをすることになるとは・・・・・こうなったらなんとしてでもトイレで・・・・!!)
 センデスはゆっくりと、しかし確実にトイレに近づいていった。
 (も、もう限界だ!! だが、この様子ならなんとかギリギリで間に合いそうだ! 後少しの我慢だぞ!!)
 そう、自分に言い聞かせるセンデスでしたが・・・。

 (あ・・・ああっ! な、何を!!)
 センデスは信じられない光景を目にしました。なんとコデスロンがすぐ目の前のトイレに入ろうとしていたのです。
 「こ・・・こらっ!! なんのつもりだ!! 割り込むつもりか!!」
 センデスは大声で叫んだ。膀胱に響き、かなり辛かったが、気にしている場合ではなかった。
 「あ、先にトイレ行くね。」
 コデスロンは言った。
 「な、なんだと!! お前はもう、さっきも行ったじゃないか!! なんのつも・・・、ああっ・・・はうっ・・・!!」

 ちょろっ・・・・・。

 センデスは遂に排尿を堪えきれなくなり、ちびってしまった。センデスの大人びた下着に不似合いな小さなシミができてしまった。
 (そ・・・・そんな・・・ここまで来て・・・・。あ、悪魔よ・・・・は、はやく出てくれ!!)
 センデスは出口を必死に両手で押さえ続け、トイレの前をうろうろ歩き回っていた。

 (ほ・・・本当だったら、今頃、パンツと下着を下ろして、トイレができていたのに・・・・。)
 センデスの歩き方は次第に早くなり、遂にはその場での激しい足踏みに変わった。
 「センデスお姉ちゃんごめんねー! 今出るからー。」
 コデスロンが言った。
 (後ちょっと後ちょっと後ちょっとだ!! ガマンガマン我慢・・・・、でもこれで・・・。)

 ちょろろろろろ・・・・。

 センデスは油断してしまった。下着のシミが広がり、パンツも少し濡らしてしまった。
 (あ・・・あうう・・・、私としたことが・・・、なんたる失態!! だ、だが、こ・・・この爽快感は・・・・。)
 センデスはエリート剣士としてのプライドよりも、排尿による気持ちよさを重視しそうになってしまった。
 (だ・・・・ダメだ!! エリート剣士として、いや、一人の人間として、トイレ以外の場所で、しかも下着を着けたまましてしまうなど・・・、し、しかし、ここまでの辛さをゼロにするこの気持ちよさは・・・あ、ああっ!!)
 「センデスお姉ちゃんお待たせ! 大丈夫? 間に合いそう?」
 遂にコデスロンが出てきた。今度の今度こそセンデスはトイレを使うことができるのだ・・・しかし。

 ちょろろろ・・・・しゅうううう・・・・・。

 センデスはもう、排尿を始めてしまっていた。無我夢中でトイレの中に入るが、オモラシが始まっていることで気が動転してしまい、パンツのベルトをはずすことができない。

 しゅううううう・・・・・しゃああああああ・・・・。

 ようやく、センデスがベルトとホックをはずしたとき、既に彼女の膀胱は空っぽになっていた。
 (は・・・はぁ・・・・、なんという気持ちよさ・・・、爽快だ・・・・。)
 「あーあ、センデスお姉ちゃん間に合わなかったんだ・・・。トイレまで行けたのに、オモラシしちゃったね!」
 コデスロンの言葉でセンデスは急に冷静になり、自分の立場を考えるようになった。
 (あ・・・ああっ!! そ、そんなあ・・・・、後少しだったのに・・・・。)
「有名な剣士だみたく言ってたけど本当? 子供の悪魔を退治するどころか、失敗してオモラシしちゃうなんて・・・。」
 (く・・・ガ、ガキの癖に・・・・!! な、なんという屈辱!!)
 「さて、スゴロクにも勝ったことだし、まだまだ悪戯は続けらさせてもらうね! それじゃ、またねー!!」
 そう言うと、コデスロンは姿を消した・・・。

 センデスは濡れて冷たくなった下着とパンツを身につけたまま、一人残された。
 (・・・・うう、今回の悪魔退治は大失敗だった・・・・。さて、どうしよう・・・こんな姿を人に見られるわけには・・・・。)
 センデスは山道をはずれ、森の中へと入っていった。そして、人の目を恐れながら着替えを探し続けたが、森の中ではそうそう見つかるものではなかった。
 道に迷い、食料が尽きかけたころ、運よく、一軒の小屋を見つけた。心優しい老婆が住んでいて、着替えを用意し、道を教えてくれた。お礼を言い、こっそり金貨を置くと、ようやく町へと戻っていった。そのころには、「エリート剣士が悪魔のいる山へ向かったきり、行方不明になった」との噂が流れ始めていた。

 この険しい山道での小悪魔の悪戯はもうしばらく続きそうだ。
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旅の剣士と戦う悪魔
  デスギロンは次のターゲットを探すため、ゼバルト王国の別の町へと移動した。町を遠くから眺めていると低い、しかし女性の声がした。
 「悪魔だな!勝負しろ!」
 振り向くと一人の旅の剣士がいた。どうやらデスギロンの姿が見えるようだった・・・。
 「いかにも、私は悪魔デスギロンだ!私と勝負したいというのか?」
 「そうだ!我が名は剣士センデス!ちょっとは名の知れたゼバルト王国の魔法剣士だ!人々を不幸にする悪魔め、勝負しろ!成敗してくれる!」
 「おもしろい!引き受けよう。時間は今日の日没まででどうだ?それまでにお前を不幸にすれば私の勝ち、そうでなければ私の負け。負けた場合は私は消滅する。これでどうだ?」
 「ふ、よいだろう。だが、私は戦士学校を優秀な成績で卒業した後、数多くの魔法も覚えた、若きエリート剣士。そう簡単には不幸になどならないぞ!」
悪魔はひるむことなく、呪文を唱え始めた・・・・。センデスは一瞬顔をこわばらせ、身構えた。しかし、しばらくすると、また、笑みを浮かべ、堂々と言い放った。
 「どうした悪魔よ!呪文の失敗か?私はなんともないぞ!」
 それを聞いて悪魔も笑みを浮かべながら答えた。
 「その呪文は直ぐには影響を与えないが成功していると思うぞ。さて、ゼバルト王国に来たのは久しぶりだし、そのあたりを見てくるか・・・日没までには戻る。せいぜい不幸にならないよう頑張るんだな。」
 そういうと悪魔は去っていった。

 センデスは町に入ることとした。まず、役場に向かった。
 「おお、センデスさん、いらっしゃい。相変わらずのりりしい姿ですなあ。依頼なら色々とありますよ。」
 そういうとセンデスに町の周辺に住み着いた魔物やならず者の情報を話し始めた。役場では旅の戦士や冒険者の引き受ける仕事の斡旋もしているのだ。
 (手ごろな依頼がいくつかある・・・しかし、私はこれでも今一応、悪魔と勝負をしているのだよな。ほかの魔物と戦うのは控えておこう。)
 「すまないが、今日は仕事はしないことにしていたのだ。だが、明日からの参考にするため情報だけ見せてもらってもいいか?」
 センデスは言った。
 「ああ、かまいませんよ。そこの掲示板にも色々と張っておいたのでどうぞどうぞ。」
 センデスは役場の奥へと進み、掲示板を眺めた。ふと、見るとほかの剣士や冒険者もいるようだ。お互いに情報を交換し合ったりするため決して珍しい光景ではないが・・・。
 (ほかの剣士にも悪魔退治を手伝ってもらうか?いやいや、普通の人には悪魔を見ることも感じることもできない。手伝ってもらえるはずがなかろう。ただ、悪魔が本攻撃に出たときのためにここで待機しておいた方がいいかな?)
 
 しばらくして、センデスは席を立ち、トイレに向かった。個室に入り、ベルトをはずし、ホックもはずし、パンツを下ろす・・・。
 (あれ・・・?)
 パンツが降りない・・・。
 (なぜだ、ベルトもはずしてあるし、ホックは全て外れているはずなのに・・・。)
 そう、物理的にありえない現象だがパンツが下ろせない。そのため、するべき行為をすることができなかったのだ。
 (おかしい・・・・そんなバカな・・・。まさかこれが・・・。)
 「気付いたようだな。そうこれが私の呪文の力だ。」
 急に声がして、センデスは体を振るわせた。悪魔デスギロンの声だった。
 「勝負というのもいいものだな。普段であればこんな強引な呪文は使わないのだが、何せ、私の命がかかっているのだからな。」
 「さて、このままだとどうなると思う。戦士学校を優秀な成績で卒業した後、数多くの魔法も覚えた、若きエリート剣士が子供でも滅多にしない失態を犯し、股間をぬらしてしまうとなると不幸以外の何ものでもないのではないか?」
 センデスは恐怖を覚え始めた。予想外の効力をもつ呪文であったためだ。
 「おやおや、急におとなしくなったようだな、剣士さん。さて、それではまたいくとするか。日没までにはまだ五時間以上あることだし・・・」
 悪魔は再び姿を消した。取り残されたセンデスは作戦を立て直すことにした。
 (これは・・・少しまずいかもしれない。確かに呪文の影響で尿意をこらえるしかなくなった。だが、五時間かあ・・・・。)
 考えれば考えるほど、尿意は強く感じる。そして、目の前の便器で放尿したくなってくる・・・。
 (うう、とりあえずここにいるとよけいしたくなってくる。一旦外に出よう。)
 センデスはトイレを去り、再び資料に目を通し始めた。だが、一時間もするとそわそわしてきた。足が自然と動いてしまう。
 (まずい、私ともあろうものが・・・・・とりあえず、町の外を歩き回ってみよう。その方が気がまぎれるだろう。)
 センデスは役場を後にした。確かに多少気を紛らわせたが、尿意が治まることはなかった。
 (く・・・こんなことなら水分を控えておくべきだった。)
 さっき、役場で飲んでいたお茶は少しずつ膀胱の水量を増やしつつあった。 
 (一体、今、体内にどの程度の水分があるのだろうか・・・結構水筒の水も飲んでいたし、最後にトイレを済ませたのは・・・。)
 思えば、センデスは町についてから一度も排尿をしていなかった。町から一里ほど離れたところにある、集落で休憩したときが最後だった。
 (あの時も結構ギリギリだったんだよなあ、少し焦った。でも今と比べると・・・・うっ!)
 尿意の波がセンデスを襲った。前を抑えたい欲求に駆られるが、人通りがあるため、ためらった。
 (まずい、どうしよう・・・そうだ、路地裏でこっそり抑えよう。)
 センデスはそそくさと路地裏に移動した。だが、そこで待ち受けていたもには・・・。
 しゃああああ
 (!!  何の音だ?水?水が流れて壁にぶつかる音だ。)
 見ると放尿している少年がいるではないか。そう、彼女が切望している行為を目の前でしている少年がいるのだ。羨望と嫉妬心からセンデスに怒りがこみ上げてきた。
 「そこの少年!!貴様何をしている!!街中で放尿するなど、言語道断!法律違反だ!!成敗して警備隊に突き出してくれる!!」
 センデスは思わず叫んだ!相手は突然の大声と、恐怖で泣き出してしまった。
 (しまった!相手は4,5歳の子供だ・・・。完全に八つ当たりではないか・・・。)
 「あら、ごめんなさい。この子、もう我慢できなかったみたいでつい・・・・。」
 少年の母と思われる女性が言った。
 「子供のしたことですのでどうか許してくれませんか?」
 「はい・・・そうですね、子供ならしょうがないですね・・・。私の方こそ何かすいませんでした・・・。」
 センデスはもじもじしながら言った。そのときまた尿意の波が襲ってきた。
 (はう・・・今度こそ抑えるぞ・・・限界だ!)
 センデスは前を押さえて、足をくねくねさせた。なきじゃくっていた子供がその姿を見て言った
 「ぐすん・・・あ、あれ、お姉さんもオシッコ?」
 「こら、坊や!ごめんなさいね。でも、少し顔色が悪いですよ、私たちの家はこの5軒ほど隣ですがお手洗いをお貸ししましょうか?」
 少年の母が言った。しかし、パンツを下ろせない以上、それだけでは苦しみから逃れられない。
 「い、いえ、結構です・・・それでは用事があるので失礼します・・・・」
 センデスはそそくさとその場を去っていった。

 センデスは町外れの洞窟に入っていった。ここならば他人の目を気にせずに済むと考えたためだ。魔物に襲われるという可能性があるが、剣での戦いでは勝ち残れる自信があった。
 足踏みをしながら時折前を押さえるが尿意は強くなる一方だ。
 (うう・・・うう、本当に漏れそうだ・・・。ええい、こうなったらしかたがない。)
 センデスは呪文を唱え始めた。すると箒が姿を現した。センデスはそれに急いでまたがると右へ左へ体を揺らし始めた。
 (私は魔法剣士。箒で飛ぶのだ!ええい、飛べ、浮かべ!)
 センデスは体を上下にも動かし始めた。しかし、宙に浮かび上がる様子は全くなかった。奇妙なシルエットが洞窟の中にあるだけだった。
 (私は魔法剣士・・・飛べない魔法剣士・・・・。うう、惨めだ・・・)
 センデスは目に涙を浮かべた。箒を用い、ゼバルトにおいては空を飛ぶ魔術は習得できないものは習得できないといわれている。ゼバルト王国の有名な大魔術師でも生涯、自力で空を飛べなかったものは数え切れないほどいる。それでも、エリートコースを進んできたセンデスにとって、習得できない魔法があることは辛いことだった。忘れかけていた情けなさ、惨めさを思い出すと同時に情けない、惨めな姿をしているセンデスであった。
 (ううう、後、どれくらいだろう?一体、いつまで、こんなことを続けていればいいの・・・私はエリート。人々から羨望される存在・・・しかし、このままでは・・・。)

 かなりの時間がたった。センデスにとっては何時間にも思えた。しかし、実際には数十分程度かもしれないとも思いなおした。ゼバルト王国では現在時計はほとんど普及していない。太陽の見えない洞窟では正確な時間を知ることができなかった。
 (つ、辛い・・・本当に辛いぞ。こんなことは生まれて初めてだ・・・・。いや、確かあの時は実際に少しもらしてしまっていたか?)
 センデスは同じく洞窟でミノタウロスを退治した時のことを思い出した。洞窟から出たとき既にかなり尿意が切迫していたが付近の住民から賞賛とお礼の声が相次ぎ、人だかりができたため、どうしても行きにくくなってしまったのだった。数時間ほどたち、改めて、祝賀会をひらくことになり、何とか宿に戻ることができた。トイレの個室に入った途端、顔をこわばらせ、控えていた前押さえを始め、その場で激しく足踏みをした。尿意がわずかにおさまった隙を突き、パンツと下着を脱ごうとするが焦ってうまくいかずちびってしまったのだ。
 (あの時も辛かった。でもちびっただけだ!今回も何とかなるはずだ。また、ちゃんとトイレができるに決まっている。あの時みたいに気持ちよく、さわやかにシャアアアー)
 じょば・・・・・
 放尿する様子を思い浮かべたためかセンデスは再びちびってしまった。
 (ぬう・・・・!こらえろ!たえろ!もらすなセンデス!)
 おちびりはとまった。しかし、下着は濡れて生暖かくなっている。
 (くううう、まずいまずいぞ・・・・。あのときよりまずい。トイレのそばでもないのにちびってしまうとは・・・・)
 「フフフ、苦戦しているようだな。」
 悪魔が再び姿をあらわした。
 (ぬうううう、悪魔か・・・・。しかし、今、ここ来たということはもうすぐ日没か?パンツを下ろせるのか?)
 「日没。後、20分だ。うむ、このままでは負けるかもしれぬ。さて、3つ目の呪文を使うか!」
 悪魔は呪文を唱え始めた。すると洞窟の奥で誰かの悲鳴が聞こえた。
 「悲鳴!?悪魔よ何をした!」
 センデスは叫んだ!
 「さあな、とりあえずいってみた方がいいのではないか?悪魔を退治する正義の剣士として。」
 悪魔が答えた。センデスは箒を投げ捨て、しかし、前かがみのまま、内股で洞窟の奥へと進んでいった。そこには怪我をした若い魔術師の姿があった。彼は言った。
 「ああ・・・センデス先輩。ごめんなさい。つい、油断して魔物の罠にかかってしまったのです。魔物は黒魔法で撃退できましたが足にケガをして歩けない・・・・」
 「お前は、ランカン!よしわかった!私が背負って町まで連れて行く、もう大丈夫だ。」
 魔術師はセンデスの知り合いランカンだった、決して優秀とはいえなかったが真面目で優しさもある魔術師でセンデスを尊敬していた。
 センデスはランカンを背負おうとした。だが・・・・ 
 じょばばば・・・・
 下腹部に圧力がかかり、また、ちびってしまった。思わず前を押さえるセンデス。
 (うう、さっきより大きいおちびりだ!下着はもうグショグショになっているだろうな・・・・。)
 センデスの目に涙が浮かぶ・・・顔は真っ青だ。その様子を見て、ランカンがいった。
 「先輩・・・・もしかして、お小水ですか?。私なら足の怪我だけですのでまだ大丈夫です。少し離れたところで済ませてきては・・・・?」
 センデスは泣きながら答えた。
 「駄目なの・・・・悪魔がいるからできないの。悪魔が私の服を脱がせてくれないの・・・・」
 センデスは言った、しかし、いきなりのことをランカンは信じようがなかった。不思議な顔をするランカン。センデスはイラついていった。
 「本当なのよ!本当に服が脱げないの!やってみなよ!」
 センデスはベルトをはずし、パンツのホックもはずした。
 「おろせるはずなのに・・・おりないの!おろしてみなよ!おろしてよ!お願いパンツを下ろして!!」
 センデスは狂ったように叫び続けた。
 「先輩・・・・うわあああん、センデス先輩が壊れちゃったよー!」
 日没までは後五分になっていた。悪魔は余裕そうに言った。
 「さて、そろそろとどめをささないとな。あれでいいかな弱そうだが・・・・。」
 悪魔デスギロンは4つめの呪文を唱えた。洞窟の天井から水滴が落ちてきた。
 ぴちゃん・・・・。
 水滴はセンデスの首に当たった・・・。
 (冷たい!!)
 思わず全身を振るわせるセンデス。そして・・・・
 しゃああああ・・・・
 再び、尿が漏れ出してしまった。あわてて、前を押さえるが今回はとまらない。パンツをぬらし、変色させていく。完全なオモラシだ。

             
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悪魔の登場
 ゼバルト王国は巨大な国だ。だが、元々は魔物住み着き、人間の住める土地はほとんどなかった。500年ほど前、ゼバルト一世が何百人という軍隊を引き連れて、魔物の頭、虹色龍を討伐した後に、魔物が減少し、ようやく人が住み始めた。その後も、王国は魔物と戦うための戦士や魔術師を養成し続け、王国の領土は広まり、100年ほど前にようやく現在と同程度になった。しかし、魔物も土地を取り戻そうと様々な策を企てて、人間に戦いを挑み続けている。いまだ、剣や魔法による戦いがたえないのがゼバルト王国の現状だ。
  (はあ、はあ、頑張れ、負けるな!負けるなマナン!)
 マナン。彼女もまたセバルト王国で今、戦っていた。とはいっても、剣も魔法も使えず、相手も魔物ではない。それは尿意との戦いだった。
 町外れの小屋に住む、マナンは町の丘下市場に買物に来ていた。その、途中で催したのだが、周囲の草むらには魔物が潜んでいることもある。また、建物などの人工物はほとんどないため我慢するしかなかった。そして、ようやくたどり着いた市場のトイレはなんと故障中。食糧などの日常品を山ほど抱えた上に尿意まで抱えて町をさまよっていたのだった。
 (どうしよう・・・家まではとても持ちこたえられそうにない。そうだ、役場。町の役場によって済ませてこよう。特に用事はないけど大丈夫よね・・・。)
 丘下市場を出て、急な坂道を登り始めた。急いで役場に行こうと、足を大きく動かすが、逆に排泄欲を高めてしまう・・・。荷物の重みもマナンの膀胱を刺激した・・・。
 (ふえーん、辛いよお、負けそうだよ・・・。何でこんなところに市場ができるの?隣町ではもっと町の中心地にあるのにー。)
 ようやく、坂道を終え、役場が見えてきた。
 (ああ、後、ちょっと・・・・)
 ちび・・・・
 (え、えええ。そんなあ、待って。我慢我慢・・・負けるな!)
 下着を少しぬらしてしまった。だが、何とか食い止めた。
 (後、ちょっと・・・。お願いします。誰か力を・・・私を救って・・・。)
 マナンは祈りながらよたよたと歩き続けた。しかし、祈りは通じなかった・・・そこに悪魔がいるのだから。

 悪魔デスギロンは呪文を唱え、人間から姿を隠し、人々を不幸にしてまわっていた。
 今回はマナンがそのターゲットに選ばれてしまったのだ。
 「市場のトイレを故障される呪文は成功したようだな。さて、次は役場に行くつもりなのか・・・、どうやって不幸にしてやろうか?」
 悪魔は人間に聞こえない声でつぶやいた。

 (後、数歩で役場・・・怖いおじさんじゃなくて、優しい受付のお姉さんだといいなあ・・・。)
 役場から顔を出したのはそのお姉さんだった。年は2,3歳マナンより上といった感じ。しかし、5,6年勤務しつけたベテランだ。マナンは一瞬、祈りが通じたと思った。しかし、期待は裏切られた。
 「あら、マナンちゃん。ごめんね、今日、王国の偉い人が視察に来ているの。急ぎでない用事ならまた今度にしてもらうよう言われているんだけど・・・。」
 マナンは必死で、今すぐ、排尿しないといけないことを伝えた。
 「本当にごめんなさい。マナンちゃんが辛そうだというのは痛いほどわかるけど、別のところ。三軒隣の戦士学校のトイレを借りてきてくれないかな?荷物なら持ってあげてもいいよ。」
 (そんなあ、でもしょうがないよね。荷物がなくなれば楽になるだろうし・・・・)
 マナンは役場を離れ、戦士学校に向かった。
 (はあ、はあ、辛いよお・・・こんなことなら、市場でゼバルトティーなんか飲まなければよかった・・・・。)
 ゼバルトティーとはゼバルト王国全土で有名な飲み物。お茶の一種であるため、利尿作用は強い。マナンは市場だけでなく家をでる前にも飲んでいたのだった。
 (しょうがない、自業自得だ。でも、今度こそトイレができるはず・・・。)
 マナンはやっとの思いで戦士学校についてしかし、人間には見えないが悪魔デスギロンが後ろにいる。普通に排尿を済ませることができるはずがなかった。
 「お、マナンじゃないか、元気か!何か用か?」
 マナンと同い年くらいの戦士が顔を出した。知り合いの学生で、ひそかに恋心を持つ相手でもあった。
 (ふええん、いつもはなかなか会えないのに何で今日に限って・・・。)
 「あ、はいいい!ええと・・・・特に用はないけどちょっと寄ってみただけというか・・・」
 「そうか、まあ、ゆっくりしていけよ。ちょうど今、休憩時間だし、お茶でも入れてこようか」
 「い、いえええ、いいですー!」
 マナンの膀胱はもうゼバルトティーでいっぱいだ。これ以上、水分を取るわけにはいかない・・・
 「遠慮しなくてもいいぞ。汗だくだくじゃないか?水分取っていきなよ。うまいぞ今日のゼバルトティーは。」
 確かに、市場からずっと歩いてきたマナンは、焦りもあり、汗をかいていた。足をもじもじさせながら落ちつかない様子で周囲を見渡した。ずっと求めていたものが目に入った。
 (うううう、あそこに行きたい、どうしても今すぐ行きたいけど、あの人がいる前でオシッコしたいなんていえないよお・・・しょうがない我慢だ。もう、子供じゃないんだし、もらしちゃうわけ・・・)
 ちび・・・ちび・・・・
 (・・ああ!あるかもー!)
 二回目のオチビリをしてしまった。しかも、前回より長い。
 「あのお・・・・オシッコ!いや・・・その・・・お手洗いを・・・」
 マナンは遂にこらえきれずに言った。顔は真っ赤だ。
 「え・・・あ、そうか役場に今日お偉いさんがくるんだったな。そっか、便所に行きたかったのか!すまんな、気付かなくて、向こうにあるから行って来なよ!」
 マナンはようやく行きたかった場所へ行くことができた。場所はずっと見つめていたためすぐわかった。前を押さえて、よちよち歩きだ。
 (ふえええん、最悪、恥ずかしいよー。でも、とりあえずオモラシだけは・・・。)
 トマトのように真っ赤な顔のマナンは今度は顔を青くした。女子トイレの扉が開かないのだ。
 ちびちびちび・・・しゃああああ

 「扉が開かないよー。」
 マナンは叫んだ。
 「おいおい、そんなばかな、さっきまで大丈夫だったはずだぞ!」
 若き戦士も思わず叫んだ!
 「悪魔だ・・・・悪魔のせいだ!悪魔が悪い魔術で邪魔をしたんだ・・・!」
 マナンは言った。その言葉を聴き、デスギロンは驚いた。
 「何!私の行動が気付かれたのか!確かにゼバルト国には魔力の強い人間がいるため悪魔とはいえ、人間にその存在を時々気付かれることはある・・・だが、今回はそんなハズは・・・。」

 「あら、どうしたの?」
 女性の戦士がマナンたちに話しかけた。ここの学生のようだ。
 「え、扉が開かない?ああ、ここの建物結構古いからね、力を入れないと開かないことがあるのよ。戦士になるために体を鍛えているから学生はみんな簡単に開けられるんだけどね・・・。知らなかった?」
 「知っているわけないだろ!男だから女子トイレに入ることなんかないし・・・。」
 若い戦士は続けた。
 「悪魔か・・・・ハハハ、いや、わらっちゃいけないな。よし、これから頑張って立派な戦士になってマナンのために悪魔をやっつけてやるぞ!」


 戦士学校を去りながらデスギロンは言った。
 「市場、役場・・・そして、戦士学校で扉と恋人の操作の2回か・・・。呪文を使った回数は4回で少ないが、正体を気付かれそうになったことは減点かもな・・・。そして・・・」
 デスギロンは続けた。
 「恋人を登場させたことで不幸にするだけでなく幸福にしてしまったと解釈もできるかもしれないな。」
 
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