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失敗したタイムトラベラー
 “大事な時に焦ると失敗する。だから、出掛ける前には必ずトイレに行っておきなさい”
 幼い頃に母から散々言われた言葉だ。
 子供の頃は何でも得意だった私。
 当然、小さい子にありがちなトイレの失敗などほとんどなかった。
 だから、母のこの言葉はうるさく感じるばかりであった。
 それなのに・・・。
 まさか・・・。

 何もかもがうまくいっていた子供時代から成長し大人になるにつれ悩むことも多くなっていった。
 勉強もおもうようにうまくいかなくなりライバルに追い抜かれて悔しい思いをしてきた。
 それでもそこそこの大学に合格しまだ大きな失敗はしないでいた。
 自分は優秀だと驕り高ぶっていた私は大学卒業後は一流企業に就職したいと考えていた。
 とはいえそううまくはいかず私は焦っていた。
 そんな中、有名な出版社で最近生まれた職業につくことができた。
 それがタイムトラベラーだった。
 時空を移動し過去へ未来へと飛び回る新しい職業。
 優秀な自分にふさわしい最高の仕事だと思っていた。
 実際には誕生したばかりで不明確なことばかりの危険な仕事で人が集まらないだけだったのだが、そのときの私は気づいていなかった。
 
 それでも最初はうまくいっていた。
 様々な時代の様々な場所へ行き依頼された写真を撮っていた。
 それらを元に作られた歴史図鑑や恐竜図鑑は大好評になり書店では売り切れが相次いでいた。
 私はタイムトラベラーという仕事に誇りを持っていた。
 次々と新人が入ってきたが私は負けないように頑張っていた。

 そして・・・。
 タイムトラベラーになり5年目。
 私は27年の人生の中で初めてともいうべき大きな失敗をしてしまう。
 周囲には同じ失敗をした多数のタイムトラベラー。
 大勢のタイムトラベラーたちに囲まれ何もできない私。
 しばらくは何が起きたのかわからなかった。

 そんな私の不安げな表情に気づいたのか先輩タイムトラベラーが話しかけてくれた。
 「やあ、君は来たばかりなのかな?」
 私は彼女の突然の声に返事が出来なかった。
 「ここは時空の狭間だよ。アタシみたいな失敗したタイムトラベラーが大量に集まってくるのさ。そして、ごらんのとおりぎゅうぎゅう詰めで身動き一つとれない状態になっていまってるわけさ!」
 彼女の説明でようやく私は状況を理解した。
 「アタシは29だけど君はいくつ?」
 「27です・・・。」
 「そっか! じゃあ、アタシの方が年上だね! ちょっと慣れてきたって言って一度にたくさんの仕事を引き受けすぎたのがいけなかったな・・・。失敗した・・・。いや、そもそもはあれだな。かっこいいからってタイムトラベラーなんて仕事を選んじまったのが失敗だったかもな・・。大学出たんだからもっとまともで安全な仕事すれば良かったかもな・・・・。君は?」
 「私も大卒です。」
 「そっか・・・。いろいろと不安かもしれないけど考えてもしょうがないぜ! ここからは絶対に出られない!」
 「えっ・・!!」
 「まぁ、そう深刻な顔するなよ! この特殊な空間では、時間が一定の感覚で進んだり戻ったりしているんだ。だからアタシ達は永遠に死ぬことはない。そしてアタシ達の記憶も同じように進んだり戻ったりする。 だからアタシ達は本当は初対面ではないかもしれないし・・・。この会話も既に何度も繰り返し行われているのかもしれないな!」
 彼女は笑いながら言ったが私は全く笑えなかった。
 「何をしたって死なないんだし、また、元に戻るんだ! 気楽にのんびり過ごそうぜ!」
 彼女は私を元気づけようとして言ってくれているのだが私には気楽にのんびりとできない理由があるのだ。

 (つまり・・・。)
 私は股間を押さえながら思った。
 (つまり私はこの先永遠に、この尿意による激しい激痛を味わい続けなければならないわけね・・・。)

“大事な時に焦ると失敗する。だから、出掛ける前には必ずトイレに行っておきなさい”
 再び私は母の言葉を思い出していた。
 人生最大の失敗をする日の朝。私はトイレに行かずに家を出てしまった。
 我慢できないほどになる前に駅のトイレに行けばいいと思っていたためだ。
 しかし、電車が止まったりしていて駅でもトイレに時間はなくそのまま仕事についてしまった。
 仕事を終えてあとは元の時代にもどるだけ。
 そうしたらすぐにトイレに行こう。
 我慢に我慢を重ねているがすぐにトイレに飛び込めばギリギリ間に合う。
 ただし、タイムトラベル用のパンツスーツは脱ぎにくいからなるべく急がないとまずいかもしれない。
 などということを考え焦っていたのがいけなかった。
 私はタイムトラベルに失敗しこの空間に閉じ込められてしまったのだ。
 大勢のタイムトラベラーたちで埋め尽くされたこの空間では身動き1つ取れずトイレに行くことなど不可能だ。
 そもそもトイレなどあるはずもないだろう。
 周囲を見渡しても目に入るのは他のタイムトラベラーばかり。
 みんな既に全てを諦めボーッとしていたりのんびりと眠っていたりしてる。
 中には退屈そうに他のタイムトラベラーと談笑している者もいる。

 だが、私はできない。
 襲い来る激しい激痛で眠ることなどできないし、笑う余裕もない。
 (うう・・・。いつまで耐えれば・・・?)
 自問自答する私。しかし考えるまでもなく答えは出ていた。
 永遠という答えが。

 タイムトラベルを終えてトイレにさえ行ければと思って我慢を続けてきた私。
 しかし、もう永遠にこの空間から出られない。
 永遠にトイレに行くことはできない。
 
 (永遠に・・・・。)
 考えただけでも気が遠くなる。
 (家でトイレにさえ行っておけば・・・・。)
 耐え難い膀胱の痛みと情けない気持ちにどうしてもイケナイ考えが頭をよぎってしまう。 
 (もう・・・ここでしちゃおうかな・・・?)
 27歳にもなってトイレでもないところで尿意を開放してしまう。
 これほどまでに恥ずかしいことは他にないだろう。
 しかし、この空間ではいつかは時間が戻る・・・・。
 つまり恥ずかしい経験や記憶もなかったことになる・・・。
 それならば・・・。

 「ねぇ、大丈夫?」
 下から不意に話しかけられ我に返る私。
 激痛を少しでも和らげようと股間を撫でていた手を思わず引っ込める。
 話しかけてきたのは私より2、3歳くらい年下のタイムトラベラー。
 彼女は茶髪でどこかいい加減そうな性格だった。
 「変なことしないでよね?」
 なんとも言えない表情で彼女は言った。
 私がしようとしていたことを気づいていたのだろうか?
 トイレを我慢していることを気づいているのだろうか?
 どことなく冷ややかな表情をしているように見える。
 突き刺さるような痛い視線が私を襲う。
 (ダメ・・・できない!)

 私がもし・・・・してしまったら。
 彼女を含めて何人かのタイムトラベラーにかかってしまうのは確実だ。
 今よりも冷ややかな反応が返ってくるのは確実だ。
 自分より年下で。
 自分よりもいい加減な性格の・・・。
 それは絶対にダメ!
 いくら元に戻るとしても、経験や記憶がなくなるとしても・・・。
 それは耐えられなかった。
 
 それに私の失敗にみんなが気づいてしまうだろう。
 さっきの先輩タイムトラベラーのように仕事をたくさん引き受けていたわけでもない。
 ただ単にトイレに行きたくて焦っていた。
 トイレに行き忘れたというもう1つの恥ずかしい失敗をしていることに・・・。
 それを知られるのだけは避けたい!
 絶対に避けたい。

 そんなことを考えながら私は戦っていた。
 周囲のタイムトラベラーたちがのんびりと眠ったり談笑したりする中、1人で激しい膀胱の激痛と孤独に戦っていた。
 
 
 (某ブログの「失敗したタイムトラベラー」という話の性別を変更。ググっても同じようなブログしか出てこないので詳細がよくわからなかったのでいろいろと追加。詳細希望)
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盗賊ミュナの失敗2 -戦士学校跡地を駆け回り-
 ゼバルト王国で戦っているのは戦士や冒険者だけではない。各町や村には大体警備隊や自警団がいて、彼らもまた魔物やならず者から弱者を守るために戦っている。彼らの活躍はそれほど目立つことはない。だが、犯罪の防止や解決の支援に大きく貢献している。
 今日もとある町の警備隊は町での犯罪を減らすための会議をしていた。結果、町に現れた盗賊の逮捕することが決定した。
 「ではもう一度確認する。この似顔絵の人物がおととい新たに指名手配された盗賊ミュナ。そして、我々は今、彼女が潜んでいる宿を発見した。今からこの十人で彼女の身柄を確保に向かう。我々警備隊の中には戦士になり手柄をたてることを諦めてきたものも多い。だが、その事情は考慮するにしても最近は活躍が少なすぎる!今度の盗賊は決して大物とはいえない。全力を尽くそう。大犯罪を起こす前に我々の手で食い止めるのだ!」
 
 ドンドンドン!
 宿の部屋の扉を激しくたたく音にミュナは目を覚ました。
 (むにゃ?一体誰だ?)
 「警備隊だ!扉を開けろ!指名手配中の盗賊ミュナ!」
 声が響いた。
 (け、警備隊だ!やっばー☆ 捕まるー!)
 ミュナはベッドから飛び起き、短剣を手に持った。
 「部屋の鍵はないのか!?」
 「今、C部隊が主人に交渉にいっています。」
 「あ、今、戻ってきたそうです。」
 (まずいぞー 結構たくさん集まってきている・・・・(ーー;))
 ミュナは荷物をまとめると、窓から部屋の外に飛び降りた。二階だったが隣の建物の屋根の上に降りた為、怪我もなく、素早く屋根から屋根へと移動を始めた。警備隊が部屋の鍵を開け、侵入してきたが、重い鎧を来ていたため、ミュナを追いかけることは無理そうだった。
 「逃げられたか・・・」
 「どうしましょう隊長!」
 「C部隊はここで待機だ。他のメンバーで追いかける。」

 (ふう・・・すっきりした。)
 追っ手から逃げ切れたミュナは街の共同井戸で喉を潤していた。冷たい水が気持ち良さそうだった・・・だが。
 (うう、喉はすっきりしたけど・・・)
 ミュナは強い尿意を感じた。昨晩、酒場から盗んで飲んだゼバルド赤ワインが膀胱に溜まっていた。さらに井戸の水も加わっていくであろう。
 (トイレ・・・でも、宿屋には警備隊がいるだろうし、役場には指名手配の似顔絵があるだろうし・・・どうしよう。漏れちゃうよー。)
 困っている様子のミュナ。
 (うう・・・トイレー。あ、そうだ!この近くに戦士学校があったかも!うん、確かにあった。そこでかしてもらおう☆)
 ミュナの頭に戦士学校への地図が浮かび上がっていく・・・。ミュナは素早く戦士学校へと移動していった・・・。
 「すみませーん!おトイレ貸してください。」
 戦士らしい姿をした生徒が笑顔で出て来た。
 「ああ、いいですよ・・・・・ん・・・、ああっ!!」
 彼はミュナの後ろを見て、突然大声を出した。後ろにミュナの似顔絵があったためだ。
 「お前は指名手配中の盗賊だな!戦士学校の生徒として見逃すわけにはいかない!!」
 途端に後ろから人が押し寄せてきた。
 「指名手配犯!よし、ここは学級委員の私が先頭に立って戦いましょう!」
 「いや、俺だ!ここで手柄を立てないと点数やばいから戦わせろ!」
 「待ちなさい!素人が戦うのは危険だ。先生に任せておきなさい」
 ミュナは一目散に逃げ出した。風のように走り去るミュナを最後まで追いかけられるものは誰もいなかった。
 (ふえーん☆ 後、ちょっとでオシッコできたのにー(T_T))
 追っ手がいなくなり、走るのをやめたミュナ。

 (どうしよう・・・・どこ?どこのおトイレに行けばいいの? どこか・・・どこでもいいから・・・おトイレにいかなきゃ・・・。)
 そのとき、ミュナの耳に町の人々の会話が入ってきた。
 「町外れにある戦士学校跡地に魔物が住み着いているんだってねえ・・・誰か退治してくれないかしら・・・・」
 「難しいんじゃないの?まだ被害はほとんどないんだから、役場の方でも予算を出しにくいだろうし・・・・」
 「でも、まだほとんど設備は壊れていないらしいじゃないの。何かの建物として再利用できるかもしれないしこのまま魔物の住処にしておくのはもったいないわよねー」
 (戦士学校跡地・・・・設備はこわれていない・・・・それだ! 魔物がいるんじゃ、誰も近づけないだろうし、そこのおトイレでオシッコしてこよう!! 大丈夫!魔物が出てきても逃げればいいんだし☆)

 

 ミュナは町はずれにある戦士学校跡地に到着した。走るのは早かったが、振動は尿意を高めていた。
 (ここが戦士学校跡地・・・・確かに建物はまだ丈夫そうだけど、随分と汚れているしおトイレ大丈夫かな?)
 ミュナは少し疑問に思ったが、今から町に引き返す余裕はなさそうだ。彼女に残された道は旧戦士学校でトイレを探すことのみだった。
 
(えっと・・・ここは教室・・・ここは職員室・・・おトイレがないよー。)
 そのとき、ミュナはあることに気付いた。
 (この構造・・・私が通っていた戦士学校にそっくり・・・ということはおトイレも同じ場所にあるかも!)
 ミュナはトイレに向かって走った。走るのは速く、途中に現れた魔物もなんなくよけられた。
 「後、少し! 後少しでオシッコできる!! 急げ急げ!! もれちゃうよー☆」
 戦士学校跡地には魔物はいるが人間の言葉を理解できる生物はいないと感じたミュナは独り言をいい始めた。時折手を股間に押し当てて、我慢することもあった。
 「あ、あそこだ、あそこのトイレでオシッコだー♪」
 ミュナは遂にトイレを見つけた。
 「でも、もう漏れちゃいそうだあ! 準備準備☆」
 彼女はガチャガチャとショートパンツのベルトをはずしはじめた。トイレに飛び込み、すぐに放尿ができるようにだ。ミュナの頭の中はもう既にトイレ気分になっていた。
 「オシッコオシッコ!やっとできるー♪♪♪」 
 じょわああ・・・
 「ってえええええ!! まだだめー(T_T)」
 ミュナはオシッコをしてしまった。だが、まだトイレに入ったわけではないし、ショートパンツをはき、その下には下布も身につけている。これではトイレを探し出した意味がない。
 「急げ!急げ!ああ、急がなきゃ!」
 ミュナは歯を食いしばり、両手で股間を押さえ、飛び跳ね周りなんとか排尿をとめることに成功した。そして、あらかじめ、はずしていたベルトを投げ捨て、トイレに駆け込むべく、扉に手をかけた。
 「あれー? 扉が開かない。」
 ミュナは絶望的な表情をした。思いっきり力を入れても扉が開かないのだ。
 戦士学校跡地は建物が老朽化し、雨漏りもしていた。その水が偶然にもトイレの扉を腐らせ、扉の開閉を不可能にしていたのだろう。
 「もおおおおうううううう!!限界なのにー。どうしようどうしよう・・・大ピンチ!!」
 ミュナは考えた。このまま、服をぬらしてしまうよりはその場でトイレを済ませてしまおうとも。だが、誰もいないとはいえ、建物の中で排泄をするつもりにはなれなかった。
 「うう・・・せっかくここまで我慢してきたのに・・・・。そうだ、学校は確かシンメトリーとかいう左右対称のつくりになっていたはず・・・・反対側に行けばもう一つトイレがあるかも。」
 ミュナは再び走り出した。膀胱に振動が響き、辛そうだったが、かなりの速度であった。
 (あ!ベルト・・・・さっきのところにおいてきちゃった・・・でも、取りに行く時間も付け直す時間もないよー☆ しょうがないオシッコしてから取りに行こう・・・まずはオシッコしないとお腹が破裂しちゃうよー。)
 ミュナは戦士学校跡地の入り口に戻った。目指す場所まで後半分だ。
 「ああ、もう駄目!!我慢できない!!」
 ミュナは走るのを止め、その場でくねくねしながら足踏みをはじめた。
 「もう無理!!ここでする!!」
 彼女はショートパンツの前ボタンをはずし、脱ごうとした。
 「でもでも、やっぱり嫌だ! ずっと我慢してきたのにもったいないよ☆ やっぱりおトイレまで我慢しなきゃ!」
 ミュナの頭に朝から今までの辛かった我慢が思い出され、学校の廊下での排尿をためらわせた。だが、ショートパンツのボタンを留めなおす余裕はなかった。
 ミュナは右手をショートパンツの中にいれ、下着の上からの前抑えを試みた。左手ではショートパンツを引き上げての間接的に股間を押さえていた。
 (さっきまでより少し楽になったかも・・・。よし!これで我慢だ。)
 しかし、この方法では走りにくい。トイレに向かう速度は落ちてしまった。そして、普段は人に見せない赤の下着が丸見えで情けないことこの上なかった。それを見る人は誰もないのだが。
 
 「もうすぐ・・・もうすぐだ。辛かった・・・辛かったけどこの我慢も終わる。あそこのトイレで今度こそオシッコ・・・。」
 ミュナは再びトイレにたどり着いたのだった。だが、この油断が命とりになるのだった。
 じゅわわわわ・・・・・
 「あぁん!だからまだだって!!」
 赤の下着に黒いシミが広がっていく。数滴、下着からオシッコの雫が垂れてきた。
 ミュナは左手を下着の中に入れ、直接オシッコの出口を抑えた。その上から右手でも押さえ、オシッコは再びとめられた。 だが、ショートパンツが下がり、ミュナの靴にあたった。
 (ああ、パンツが・・・。もう、いいや!後、少しでオシッコするんだから、どうせ脱ぐんだし。)
 ミュナは足を大きく振り、ショートパンツを放り投げた。いうまでもなく、手を離しかがんで
片手でパンツを直接持つ余裕などなかった。
 下半身を下着一枚にした。ミュナはトイレの扉を開いた。
 「ああ、今度は開く☆ 遂にトイレに到着!!!!!!!」 
 その通りだった。だが、その到着したトイレには巨大な蜘蛛の姿をした魔物が待ち構えていた。ミュナは蜘蛛が大の苦手だった。
 「きゃあああああ・・・・いやああああ!!」
 ミュナは急いでトイレの扉を閉めた。
 「はあ・・・はあ・・・・こ、怖かったあ・・・・・。でも、どうしよう・・・あんなのがいるトイレになんて入れるわけないよお・・・・・。戦う・・・む、無理! 普通の蜘蛛でさえも苦手なのに勝てるわけないよお・・・・。 も、もうだめ・・・せっかくここまで我慢したけどオモラシしちゃうんだ・・・。」
 諦めかけるミュナ。だが、そのとき、あるものが目に入った。
 「あ・・・男子トイレ! 普通だったら入りたくないけど、誰も見ていないし・・・、ええい、オモラシよりましだ!」
 疾風のごとき速さで、ミュナは男子トイレに駆け込んだ。幸いにも、扉は開き、中には魔物などはいなかった。
 「トイレ・・・トイレだあ!! やっと使えるトイレがあった!」
 個室に駆け込み、赤の下着を下ろす。すぐにお尻をだして、座ることができた。
 しゅううううう・・・・・。
 「ま、間に合ったあ♪♪♪ (^^♪ ♪♪♪」
 満面の笑みを浮かべるミュナ。
 「ふう・・・スッキリ☆ やっぱり頑張ってよかった・・・。盗賊やめて頑張って真面目に働こうかな?」

 後始末を終え、再び下着を身につけるミュナ
 「あう・・・・冷たい・・・結構ちびっちゃっていたからなあ・・・・。」
 我慢して下着を履いたミュナ。そして、あることに気づく。
 「あ・・・・ショートパンツがない(T_T) どこに投げ捨てたんだっけ・・・?」



                   

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盗賊ミュナの失敗
たたたた・・・・・
 ゼバルト王国のとある草原を走る一人の若者。彼女の名は盗賊ミュナ。
 草原を颯爽と駆け、途中をのんびりと歩いていたゴブリンから剣を奪い取り、あわてて追いかけるゴブリンとの距離も徐々に離していった。
 (走れー、走れー☆ 走れ盗賊ミュナ!)
 ゴブリンはすっかり見えなくなった、しかし、ミュナはほとんど速度を緩めることなく走り続けた。
 (走れ!走れ!いっそげー☆)
 なぜこんなにも急いでいるのか理由はいくつかあった。一つは彼女が魔物だけでなく人から物を盗むこともある盗賊だったからだ。とはいっても金額は少なく、人に危害を加えることもめったにない。隣町では指名手配されたが、町から離れた草原では捕まえようとする人はいない。他の町に逃げ込めば一般人と何も変わることなく生活できる状態だ。
 二つ目には彼女が走ることを得意とし、走るだけで楽しい、また、その能力をさらに鍛えたいということだろう。だが、最も大きいのは・・・
 (トイレ・・・・トイレに行きたいよー☆)
 彼女は尿意を催してしていたのだ。町の間が離れていることが多いゼバルト国では町を出る前に道の危険度や休憩できる施設を調べてから移動するのが普通だが、彼女はおおざっぱな性格からそれを怠っていた。
 (でも、あたしにはこの足がある!急げば何も問題ない☆)
 その考え方は適当であったが正しかった。彼女の直ぐ目の前に町があった。だが、そこに潜んでいた悪魔により正しさは揺らいでいくのだった。
 「ふふふ・・・・まずは、宿屋だな」
 悪魔デスギロンはミュナが向かうであろう宿屋に向かった。そうとは知らずにミュナも宿屋向かうのだった。
 (ようやく町についたー☆ (^_^;) あ、宿屋発見!ただちにトイレ拝借へ☆)
 ミュナは宿屋に入るとカウンターにむかっていった
 「すいませーん、トイレ貸してください! 宿代は後で払いまーす☆」
 受付は言った
 「申し訳ありません・・・ただいまお手洗いは・・・・」
 ミュナはトイレの前に看板があることに気付いた・・・。彼女には気付かないだろうが悪魔の仕業だ。
 (え・・・掃除中!? そんなー。また、ガマンするのー)
 ミュナの尿意は結構切羽詰っていた。こらえきれず宿屋をでて別のトイレを探すことにした
 (急げ、急げー、漏れるー☆)
 ふと、ミュナの目に武器屋が目に留まった。
 (お、武器屋発見☆ さっき盗んだ剣を換金しておこう。身軽で走りやすくなりそうだし・・・。)
 「おじさーん!この武器買い取ってくださいな☆」
 武器屋は答えた
 「おお、わかった。これは700G、いや、800Gくらいの価値があるかな?」
 武器屋が話している途中でミュナは足をくねくねさせながら言った。
 「おじさん、ちょっとトイレ貸してくれない?」
 「トイレかあ・・・でも、最近、泥棒が多いから関係者以外は店に入れないことにしているんだよ。」
 (ええ、そんなあ・・・。もう、誰よ泥棒って!私が苦しんでいるのに!人のことを考えて盗みなんかやめなさーい・・・って私も隣町では泥棒だったのか☆ (ーー;))
 「ねえ、いいでしょう・・・・もう、漏れちゃうよー!」
 ミュナはさらにいった。
 「あ、そうだ、これでどう?」
 ミュナは剣を武器屋の腕から取り戻した。
 「へへーん☆ トイレ貸してくれないなら別の店に売りにいっちゃうよーだ。どうする?目の前のお客さんを見捨てちゃっていいのお?」
 「ははは、そう来たか。うーむ、確かにライバルの武器屋に客を取られることになるのは痛い。よし、貸してやるよ!」
 「ありがと!」
 そういうとミュナはトイレに向かって走り出した・・・。だがまた直ぐ走ってもどってきた。
 「先に奥さんがはいっちゃったよー!(T_T)」
 「ありゃあ、それは困ったな・・・。」
 「くううう、駄目だー限界☆ 他のところでしてくる!」
 ミュナは武器屋も去っていった。
 (走れー走れー。ううう、お腹に響くよー。)
 ミュナの満杯になった膀胱は走ると中身をちびりそうになる。
 (ぬぬぬぬぬぬうう、途中の泉の水をたくさんのんじゃったからなー、あんなに飲むんじゃなかった。)
 ミュナは今更遅い後悔をした。そのとき、目の前を町の人が通りかかった。
 「あ、おばさん!こんにちは!あたしこの町にはじめてきたんですけど、この町の役所ってどこにあるんですか?」
ミュナは次は役所を目指すことにしたようだ。おばさんは答えた・・・。
 「役所ねえ・・・確かここをまっすぐいって三番目の曲がり角を右に行ったあと・・・あれ二番目だったかな?」
 なかなかおもいだせないようだ。ミュナは足と体をくねくねさせ時折、手を後ろに回し、お尻の下の方をもじもじと抑えた。その結果、なんとか思い出すまで尿意をこらえた。
 「・・・とまあ、こんなところだねえ。ん、お嬢ちゃんもしかしてオシッコしたいのかい?うーん、トイレなら私の家の方が近いかな?でも、この位置だと・・・」
 おばさんは予想外の長話を始めてしまった。予想外の展開にミュナは焦った。
 (ふえええーん☆ まだ続くのー? 本当に漏れちゃうよー)
 シュウウウウ・・・・
 ホットパンツに守られたミュナの赤の下布が熱くなった。少しちびってしまったのだ。ミュナはその場で飛び跳ね、ステップを踏み、何とか決壊をとめた。
 (漏れた☆ というかちびったあー。大丈夫!まだ少しだけ、でも早くしないとー 大ピンチだあ!!)
 「やっぱり、役所の方が近いかな?でもって役所の場所は・・・」
 おばさんの話を遮ってミュナは言った。
 「ああ、大丈夫です。ちゃんと覚えています。では役所に急ぐので失礼しまーす。道教えてくれてありがとー (^^♪ 」
 ミュナは再び走り出した。じっとしているよりは楽になったがしばらく走ると膀胱に負担がかかりはじめた。
 (漏れる!漏れる☆ 本当に漏れるー!!)
 ミュナの限界は近かったが、何とか役所にたどり着くことができた。しかし、そこにも悪魔が先まわりし、罠を仕掛けていた。
 ミュナは役所に入ると一目散にトイレを目指した。だが、鍵がかかっていた。
 (うっそー (T_T) また、使用中!? こんなにオシッコしたいのにー。)
 ミュナは扉の前をそわそわと歩き回りながらガマンすることに決めた。流石にこれ以上走り回ると下腹部への負担からオモラシにつながると考えたためだ。
 (漏れちゃう!漏れちゃう!オシッコしたいよお☆)
 シュワアアア・・・・
 また少しちびってしまった。何とかその場にしゃがみこみ。排尿をとめたが、今回のオチびりは大きかった。ミュナの真っ赤な下布には黒っぽい赤色の大きなしみができてしまった。
 (早く変わってよー。限界だよー☆)
 だが、なんとかミュナは自分の前まで持ち堪えた。
 (ああ!! おトイレ!おトイレだあ 会いたかったよお・・・(^_^;) これでやっとオシッコできる☆)
 トイレに飛び込み、 扉を閉めたミュナはすばやく、ホットパンツのベルトとホックをはずした。盗賊であるだけあり、器用な指先ですぐにそれは成功した。 お尻を出すと、トイレに座った。
 シャアアアア・・・・
 (ふう・・・良かった、間に合った・・・。 ああ、でも、かなり、下着にシミができちゃってる・・(T_T))
 トイレから出たミュナの歩き方はどこかぎこちなかった。


                 
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