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オリエンテーリング3
 瀬奈は10分以上、その場で泣き続けた。
 そして花奈と多那の説得でようやく、立ち上がると右手で涙をぬぐいつつ、すすり泣きながら、歩き始めた。

 女子3人の中で、唯一、多那だけはオモラシをしていなかった。
 多那は膀胱が大きめなのか、小学生のころも、幼稚園の頃も一度もオモラシをしたことがなかった。
 だが、彼女にも限界というものはある。
 多那も徐々に尿意に攻撃されつつあった。



 (大丈夫・・・・今度こそ、正しい道のはず! もう、ちょっとだから・・・!)
 多那はもうすぐ目的地に着くと言うことで油断しはじめていた。下腹部の時限爆弾はカウントを早めつつあった。
 そんな状況で、10分以上のタイムロスは痛かった。 ひょっとして二人のように限界を迎えてしまうのではないか。
 
 (ダ、ダメッ! そんなこと絶対に・・・! でも、今までオモラシなんてしたことないもの! 私だけはきっと大丈夫・・・!)
   「今までトイレ以外でオシッコをしたことはない。」
 その実績を強く心に刻み、地獄の尿意に必死に耐え続けていた。

  
 どれだけ歩いただろうか?
 「着いた! 目的地だ!」
 惇太が叫んだ。今度こそ、本当に目的地だった。
 (ようやく着いた・・・。)
 多那はホッしかけたが、気の緩んだすきに、オシッコが漏れ出しそうになり、慌てて、背筋を伸ばした。

 「おーい、どうしたー!」
 見覚えのある顔が近づいてきた。4人の学校の教師たちだ。
 「おお、4人ともいるのか!? どうしたんだずいぶん時間がかかったじゃないか・・・、んっ?」
 教師たちは瀬奈に注目した。涙で顔がぐしゃぐしゃになるくらい、泣き晴らし、ジャージの下が濡れて変色している。
 花奈の顔にも涙の跡があり、やはり、ジャージが濡れている。

 「これは一体どういうことだ! 何があったんだ!?」
 教師たちは驚いて、質問した。
 「うわぁんん・・・・!! だってトイレが、トイレがぁ・・・・えぐっ、えっぐ・・・・・」
 「・・・・その、どうしてもガマン出来なくなって・・・・その・・・・もらしちゃったんです・・・・。」
 教師たちは事情を察した。男性教師たちはそそくさとその場を離れた。
 「こっちよ! こっちで着替えましょ! ほら、早くしないとみんなに見つかっちゃうわよ!」
 「ほらほら、泣かないの・・・。我慢できないなら物陰でしてきちゃえば良かったのに・・・。」
 「・・・・えぐ・・えぐ、だって・・・トイレじゃないとぉ・・・。」
 女性教師たちは、花奈と瀬奈を連れてその場を去った。
 多那だけがその場に取り残された
 「あ、あのっ・・・!」
 多那は慌てて、トイレの場所を聞こうとしたが、遅かった。辺りを見回すが、トイレらしき建物は見当たらない。
 目的地にさえつけば、すぐトイレでオシッコができる。そう思っていた多那にとって、絶望的な出来事だった。

 「あっ、多那だ! 大丈夫!?」
 「道に迷ってたの? あっ、惇太もいるのね! 他の二人は?」
 多那の同級生が集まってきた。

 「えっ・・! っとその・・・!」
 焦ってうまく答えられない多那。今にもオシッコが漏れそうだが、そんなことは言えるはずもないし、気付かれたくすらなかった。

 「大丈夫か! 心配したんだぞ!」
 「無事でよかった・・・。」
 一人にしてほしい! そんな多那の気持ちなど知るはずもない同級生たちは次々と集まってくる。
 そして、更に、最悪な出来事が訪れた。

 ちょろっ・・・・。

 遂に数滴のオシッコが多那のショーツにちびりだしてしまった。多那にとって小学校低学年以来のことだった。
 慌てて前かがみになり、ジャージの上から股間を押さえる多那。すぐに、周囲の視線に気づき、手を離すが遅かった。

 「ひょっとして、トイレ?」
 「そっか! ずっと道に迷ってたんだもんね!」
 「おい、大丈夫かよ!?」

 顔を真っ赤にする多那。こんな恥ずかしい思いをしたのは生まれて初めてだ。
 しかし、このままでは更に、その記録を更新してしまう。

 「・・・・ト、トイレどこっ!?」
 「向こうだよ!」
 
 慌てて、一人の生徒が指さす。
 急いでその方向に駆け出すが・・・。

 ちょろっ・・・ちょろっ・・・しゅううう・・・・・。

 ショーツの中に更にオシッコは漏れ出していく。
 今までに全くしてこなかった経験に多那はパニックになりつつも、トイレに向かって全力で走った。
 
(見えてきた・・・・!)
 灰色のトイレと思わしき小さな建物が見えてきた。お世辞にも綺麗とは言えなかったが、そんなことを気にする余裕は全くなかった。
 死ぬ思いで我慢してきたオシッコをようやく放出できる。そう思うと、更に、ショーツの中にちびりだすオシッコは増え、体操服も変色していった。

 トイレの入り口から白い和式便器がチラッと顔を出した。だが、そこまでだった。

 しゃぁぁぁぁ・・・・・。

 オシッコは勢いを強めて、ショーツの中に流れ出した。ショーツはもちろん、体操服でも吸収できなくなり、ジャージが大きく変色していった。
 (いやっ!!)
 思わず、その場にうずくまる多那。両手と、踵で必死に出口を押さえる。だが、もう限界だった。
 (ああっ・・・・ああああっ・・・・。)
 多那は、トイレの目の前まで来て、しゃがみこんだままオシッコを全て漏らしてしまったのだった。

 「ええっ、間に合わなかったの!」
 「うわぁ、すごい量・・・。」

 同級生たちの声が聞こえる。
 (うそ・・・。ずっと、我慢してたのに・・・。私だけは我慢できてたのに・・・。幼稚園の頃もしたことなかったのに・・・。)
 多那の目から涙が流れ落ちてきた。そして、徐々に涙は強まり、ついには、大声で泣き始めるのだった。
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