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パーフェクトガール5 ー 飲み会にて ー
「それじゃあ、・・・・・乾杯!!」

 社会人になって1ヶ月目となった恵那は、大学時代の同級生や後輩たちと居酒屋に来ていた。

 「やっぱり、学校の先生は大変ね・・・・。子供たちが元気良すぎて毎日クタクタよ・・・・。
 「ああ、大変そうですね・・・・・。」
 「私はIT系の会社に行ったけど、みんな忙しそうね・・・。今はまだ研修期間だけど、仕事始まったら、夜遅くまで帰れないことも多いみたい・・・・。」
 「なるほど・・・・。デスマってやつですか・・・・。」
 後輩たちは、社会人となった先輩たちの体験談に興味深々だった。

 「恵那先輩は、確か、すごい有名な一流企業に入ったんですよね?」
 「あー、そうそう!! 恵那さんの話も聞きたいな!」
 「確か、営業職を目指しているんでしたっけ?」
 「ええっ、営業!? 何かノルマとか厳しそう・・・。」
「毎日、全然知らない人ばっかりいる会社に行って物を売ってこないといけないんでしょ? セールスお断りとかにしている会社も多いだろうし何かすごく怖そう。」

後輩やかつての同級生たちは、恵那に注目し始めた。


 「うーん、すごく有名ってほどでもないかな?」
 恵那は答えた。
 「あと、営業だけど、そういう新規開拓営業だけじゃなくてルート営業とか色々な種類があるんだよ。例えば、同じ会社に毎月同じものを販売に行くとかね。そういう場合は知らない人ばっかりというわけじゃないし、どんな仕事でも就職活動や転職活動の時は全く知らない人ばかりの会社に訪問して自分を売り込まないといけないんだから、同じことだよ。」
 恵那は営業についての自分の考え方も説明した。

 「ああ、そっか! それもそうよね!」
 「なるほど、恵那さんは、今の会社で商品を売り込む方法を学び、それを元に別の会社に自分を売り込むつもりなのか・・・・。」
 「そんなことないわよ! 今の会社で十分満足しているわよ! でも、もしものこともあるかもしれないし、自分という商品を売り込む技術も学んでおきたいわね!」
 「おお・・・・。恵那さんは考えることが違いますね・・・。まぐれで同じ大学に入れただけの私たちとは違いますなぁ・・・・。」
 「パーフェクトな恵那さんならきっとどんな仕事でも完璧にこなすんだろうね・・・。」
 「そうそう、勉強もできるし、スポーツも万能! 性格も良くて、一流企業に就職! まさにパーフェクトなんだよね!」
 みな、恵那のすごさに驚いていた。
 (うーん、確かに勉強もスポーツも就職活動も頑張ってきたけど・・・・。ただ、あれだけはね・・・・・。)

 恵那は喜びつつも少し複雑な気持ちだった。
 完璧に思える恵那にも1つだけ弱点があったのだ。

 (今日は大丈夫かな・・・・。飲みすぎないようにしないと・・・・。)

 努力家の恵那が唯一克服できなかった弱点。
 それはトイレに近いことだった。

 小学生の時の遠足や卒業式。
 中学校の時は下校中に。
 高校生の時はセンター試験で。
 恵那は何度もトイレを我慢できなくなり、オモラシをしていた。

 大学生になってからも、ズボンやパンツを濡らしてしまうことは何度もあった。

 (今日はちゃんと我慢できますように・・・・。)

 お酒を飲むとトイレが近くなる。
 恵那は今日の飲み会でオモラシをしてしまわないか不安に思っていた。



 飲み会が始まり1時間がたった。
 楽しげに飲んでいた恵那だったが、段々と表情が険しくなってきた。
 膀胱にオシッコがたまってきたのだ。
 (まだ始まったばかりなのに・・・。控えめにしておいたけど、やっぱり飲むとしたくなっちゃうわね・・・・・。)
 オシッコは気を緩めれば漏れてしまいそうなくらい溜まっていた。
 時折、股間を押さえたくなる気持ちを理性で堪える。
 
 (おトイレ行こうかな・・・・。)

 恵那の頭に大学時代の出来事が思い浮かぶ。
 友達数人と山登りに行った途中でオシッコが我慢できなくなった恵那。
 しかし、トイレはなかなか見つからない。野ションなんてできるわけもなく我慢し続ける恵那。
 だが、オシッコが近い恵那。限界を迎え、パンツの中にオシッコがちびりだしてしまう。
 それでもトイレを求め歩き続ける恵那だったが、トイレにはたどり着けずさらに再びオシッコが漏れ出してきてしまった。
 急いで道をそれて、野ションをしようとするが、サロペットを着ていたため、すぐにパンツを脱ぐことができず、サロペットとパンツを履いたままオシッコを漏らしてしまったのだった。
 その時も友人たちも今、すぐ近くにいるのだ。

 (どうしよう・・・・。トイレって言ったらあの時のことを思い出しちゃうかも・・・。)
 
 恵那にとって、それはなんとしても避けたかった。

 (で、でもトイレ行かないと・・・・・。)

 膀胱の中に溜まっているオシッコは外に出さないことにはなくならない。
 我慢していても、恵那の小さな膀胱はいつかは満杯になり、パンツの中に漏れ出してしまう。
 つまりオモラシだ。
 それを避けるためには、トイレに行き、パンツを脱ぎ、膀胱を空っぽにするしかない。

 (言うしかないか・・・・。)
 
 恵那は決心した。

 「ちょっと、トイレ行ってくるね。」
 恵那が言う。
 「あ、うん。」
 友達が答えた。

 (よかった・・・・。思い出してないみたい・・・・。)
 ホッと胸をなでおろしつつトイレに歩いていく恵那だったが。

 「えっ、山登り!!」
 後輩たちの大きな声にビクッとする恵那。
 「そうそう! 登山家として有名になっていた人が実はインチキだったって知って超ショックだったの!」
 「あー、わかるわかる! そういうのイヤだよねー!」
 どうやら恵那が参加した山登りの話ではないみたいだった。

 (もうっ! 脅かさないでよ・・・・。チビっちゃうところだったじゃない!) 
 そう考え、トイレに向かって歩く恵那だった。


 トイレは、男性用と女性用が1つづつあった。両方とも空室を示す青の表示だった。
 (山登りの時はトイレが汚くて、全然オシッコできなかったのよね・・・・。)
 そんなことを思い出しながら女性用の方のトイレのドアを開く恵那。
 広めの個室に清潔感のある真っ白な洋式トイレがあった。

 (あら、キレイ!)

 思わず気を緩める恵那だったが、その隙をついて外に漏れだそうとするオシッコ。
 恵那はとっさに右手で股間を押さえてしまった。
 顔を赤らめ後ろを見るが幸い誰もいなかった。
 恵那は安心すると同時に急いでドアを閉め鍵をかけた。

 (急がないと・・・・!)

 トイレについたことで、急速に高まってしまった恵那の尿意。

 (まだダメ・・・! パンツを脱ぐまで出しちゃダメ!!)

 恵那の頭に山登りの時の悪夢が思い浮かぶ。サロペットの肩紐のボタンを外せず、オモラシをしてしまった屈辱的な思い出が・・・。
 さらにその数週間前には公園のトイレでジーンズのベルトを外すのに手間取り、パンツとジーンズを濡らしてしまっている。
 同じ失敗を繰り返すわけには行かない。
 恵那は誰も見ていないのをいいことに両手で股間を押さえ、その場で飛び跳ね始めた。

 (なんとか治まってきた・・・・。)
 
 尿意が一時的に弱まった隙をつき、恵那は股間から手を離した。
 この日、恵那は会社が終わってからスーツのまま、飲み会に来ていた。
 スーツは細身で黒のパンツスーツ。
 スカートと違ってすぐにトイレができない。
 
 (まず、ベルトを・・・・。)

 恵那はベルトに手をかけ、外そうとした。
 だが、それと同時に再び強まる尿意。
 左手で股間を押さえ、その場で軽く足踏みをしながら、右手でなんとかベルトを外す。

 (次はボタンを外さないといけないのよね・・・・。)

 股間を押さえる左手の力を強め、右手でボタンを外しにかかる。
 両足はもう我慢できないという感じに上下し続け、恵那は広い個室の中を歩き回っていた。

 (外れた!!)

 ボタンを外すことに成功した恵那。
 同時に、体を折り曲げ、前かがみになり、両手で股間を押さえ込んだ。

 (も、漏れちゃう・・・・!)

 泣きそうになりながら目の前の洋式トイレを睨みつける恵那。

 (こんなとこならスカートにしておけば・・・・。)

 そんなことを考えていた。

 (でも、もうちょっと! あともう少しだから・・・。パンツまで脱げばいくらでもしていいから・・・・!)

 股間から左手を離し、ズボンのホックを外す恵那。
 そして、噛まないに慎重にファスナーを下ろす。
 黒のショーツがようやく顔を出した。

 (あっ・・・・!!)

 股間に生暖かい感触を感じ、急いでズボンとショーツをつまむと下にズリおろしながら洋式トイレに腰掛けた。
 
 「はぁ・・・・・・。」

 なんとか間に合い、トイレでオシッコをすることに成功した恵那。
 しかし、パンツに少しだけオシッコをこぼしてしまったようだった。
 とはいっても、黒のショーツなので、見た目にはほとんどわからなかったが。

 (ちょっと、チビっちゃったけど・・・・まぁ、ぎりぎりセーフね。)

 泣きそうな険しい表情から一変、幸せそうな笑顔を浮かべる恵那。
 
 (それにしても、トイレは広くて綺麗ね・・・・。人も少ないみたいだし、次からは早めに来ましょう・・・・。)

 そんなことを恵那は考えていた。



 それからさらに1時間がたった。

 (うう・・・。オシッコしたい・・・・。また行ってこようかな・・・・。)
 1時間前にトイレを済ませたばかりの恵那だったが、再び膀胱にオシッコが溜まってしまっていた。トイレに間に合ったことによる開放感と酔いからアルコール類を飲みすぎてしまったのだ。

 「ちょっと、トイレ行ってくる!」

 恵那はそう言うと再びトイレに向かった。

 (あー、もれちゃうもれちゃう・・・。いそげいそげ!)

 そんなことを考える恵那。もちろん、本当に漏れそうなわけではない。酔いが回っていることと、もうすぐオシッコができるという開放感からそんな言葉が頭に浮かぶのであった。
 しかし・・・・。

 (えっ!!)

 恵那は急に酔いが醒めたかのような気持ちになり、顔をしかめた。
 女性用トイレが使用中を示す赤の表示だったのだ。

 (どうして・・・・・あっ! そういえば、2、30分くらい前に・・・・!)

 恵那は少し前にかなり酔った感じの女性数人が入店してきていたのを思い出した。
 他に女性の客はほとんどいない。
 おそらくその人が先にトイレに入ってしまったのだろう。
 
 (そんなぁ・・・・・・。)

 恵那の頭に再び過去のオモラシが思い浮かぶ。

 (で、でも我慢すればいいのよね! きっとすぐ出てくれるよね!)

 そう前向きに考える恵那。
 だが、すぐにできると思っていたオシッコを我慢するのは辛かった。
 しかも、座っているときと比べて立ったままじっと我慢するのは難しかった。
 こらえきれず左足を上げたり下げたりする恵那。

 (どうしよう・・・。このままじゃ漏れちゃう・・・・。一旦、席に戻ろう!)

 恵那は席に戻った。

 「トイレ、誰か入ってるみたい!」

 そういい、再び飲み始める恵那。
 座っていることで少し楽になったが、後輩や友達がいる前でモジモジするわけにはいかない。
 必死に平静を装い作り笑いをし、必死に尿意と戦う恵那であった。


 5分が経過した。
 恵那の孤独な戦いは続いていた。
 なんとかオシッコを漏らすことなく耐え抜いた恵那。

 「ちょっと、またトイレ行ってみるね!」
 再びトイレに立った恵那。

 (あれだけ待ったし、もう空いてるよね! もし、空いてなかったら・・・・・。)

 必死に嫌な想像を振り払い早歩きでトイレに向かう恵那。
 だが、彼女の嫌な予感は的中してしまった。

 (うそっ!!)

 女性用トイレは未だに使用中を示す赤の表示だった。

 絶望感でちびりそうになってしまった恵那。
 思わず股間を押さえる。
 そして、慌てて周囲を見渡す。 
 誰かに見られている様子はないが恥ずかしくてたまらない恵那。
 急いで股間から手を離すが、今度は体が勝手に足踏みを始めてしまう。
 それもそれで恥ずかしくてたまらない。
 だが、無理に足を止めたら、今度はオシッコが噴出してしまいそうだ。
 恵那は両手でベルトを掴むと上に引っ張り上げそれでオシッコの出口を押さえることで妥協した。

 (どうしよう・・・・。オシッコ出ちゃう!)

 恵那は思わず男性用のトイレに目を向けた。
 そこは空室を示す青の表示だった。
 だが、そこを使うわけには行かない。
 とはいっても、このままでは再びオモラシをしてしまう。
 それだけはなんとしても避けないといけない。
 
 (あ・・・・あくまでも最後の手段ね! なんとかこっちが空くまで我慢しないと!)

 恵那は再び女性用のトイレを睨みつけた。

 (ああっ、オシッコ・・・・オシッコ・・・・・!)

 椅子の支えを失ったことで強まる一方の尿意。
 ベルトを引っ張りあげるだけでは満足できず、体をくねくねと捻らせてしまっている恵那。

 (どうしよう・・・・・。さっきでさえあれだったのに・・・・。)

 恵那は1時間前のことを思い出した。
 ベルトや前ボタンと格闘し、なんとかパンツを脱ぐも少しだけオシッコをちびってしまっていたことを・・・・。
 恵那の膀胱はそのとき以上に限界になっていた。自分の番まで我慢できても、洋式トイレを見たことで気が緩み、ズボンとパンツを脱ぐ前にオシッコが漏れ出してしまいそうだった。

 (それはダメ!! パンツを脱いでからオシッコしないと・・・・・。)

 ベルトから手を離し股間を押さえる恵那。

 (こうなったら・・・・・。)

 恵那はトイレに入っていないにもかかわらずベルトを外し始めてしまった。

 (誰も見てないよね・・・・。)

 誰かに見れれていたら恥ずかしくてたまらないが、オモラシを防ぐためには他に方法が思いつかなかった。

 ジャアアアアアア・・・・・。

 水を流す音が聞こえてきた。

 ちょろろろろ・・・・。

 その音に触発され、恵那は黒のショーツにオシッコをちびってしまった。

 (ダメっ!!!)
 
 恵那は股間を両手で必死に押さえ、その場で足踏みをしオシッコを止めた。
 幸いにもスーツを濡らすまではいかなかったが、一触即発の状態だ。

 (早く出てきてよ! もう、漏れちゃう!!)

 恵那のオシッコタンクは結界寸前だった。
 あと、1分もすればオシッコが再び飛び出しそうであった。
 すぐに順番を替わってもらえたとしてもトイレが目に入った途端、パンツを脱ぐ余裕もなくオモラシをしてしまいそうだった。
 恵那は耐え切れず、ズボンの前ボタンとホックを外し、ファスナーをおろしてしまった。
 黒のショーツの上についている白いレースがチラチラと見えてしまっている。

 (こ、こうなったら・・・・。)

 恵那は男性用トイレを睨みつけた。
 いますぐそこに駆け込めばなんとか完全なオモラシにはならなくて済むかもしれない。

 (で、でも・・・・・。)

 だが、一瞬ためらってしまった恵那。
 その一瞬が命取りとなってしまった。

 (あっ!!)

 早足で男性用トイレに駆け込んでいく1人のおじさん。
 そして、ドアをしめ、鍵をかけてしまった。
 これでは恵那が使うことはできない。

 (そんなぁ・・・・。)

 目に涙を浮かべる恵那。

 ちょろっ・・・・・

 再び恵那はパンツの中にオシッコを数滴ちびってしまった。
 黒のパンツの上から必死に出口を押さえる恵那。

 「きゃあっ!! 恵那さん、何してるんですか!?」
 
 トイレに来た友達が驚いて大声を出した。
 普段だったら恥ずかしくてたまらないであろう恵那だがそんなことを考える余裕はなかった。

 「おトイレがいつまで待っても使用中なの!! もうダメッ!!」

 前を押さえたままパンツを隠すこともできず、足踏みを続ける恵那。

 「あのっ! まだですか!?」
 
 友達はトイレのドアを叩き始めた。

 「漏れちゃいそうな子がいるんです!! 早く替わってあげてください!」

 友達の言葉に反論したくてたまらないが、オシッコを我慢することで精一杯でそんな余裕はない恵那。

 トイレから水を流す音が聞こえると同時に、ミニスカートの女性が目をこすりながらよろよろと出てきた。どうやら飲みすぎてトイレの中で眠ってしまっていたようだ。

 恵那は女性を押しのけるようにトイレに飛び込んだ。

 ちょろろろろ・・・・・しゃああああああ・・・・・。

 清潔感溢れる白い洋式トイレが目に入ったとたん、勢いよくパンツの中に放たれるオシッコ。
 恵那は急いでパンツとズボンを脱ぎ洋式トイレに腰掛けたが、既にパンツはびしょびしょになり、ズボンにも大きなシミができていた。
 友達は予想もしなかった光景に固まりつつも、しばらくすると恵那の代わりにトイレのドアを慌てて閉めた。

 (どうしよう・・・・。)

 黒のスーツなので、シミはあまり目立たない。
 だが、目立たなければいいというものではない。

 (うそ・・・。もう、社会人になったのにまたオモラシしちゃったの・・・・?)
 (友達にも知られちゃったし・・・。)

 恵那は悔しくてたまらなかった。
 目からは涙がポロポロとこぼれていった。
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パーフェクトガール4 ー 山登りにて ー
山道を歩く数人の女子大生たち。
 どうやらゼミで知り合ったグループのようだ。

 「つかれたー!」
 「まだ、登り始めたばかりなのにー!」
 「恵那さんは元気そうね?」
 彼女らは恵那と呼ばれた女性に話しかけた。

 「うん、元バレー部だし・・・・・。」
 恵那は答えた。

 「ええっ、すごーい!」
 「勉強もトップだし、運動も得意なんだ!」
 「でしょでしょ!」
 「性格もいいし、明るいしまさにパーフェクトって感じだよね!!」
 みんな、恵那のすごさに驚いていた。

 しかし、恵那は喜びつつも悩んでいた。
 (確かにそうなのよねぇ・・・・。勉強もスポーツも頑張れば頑張るだけうまくいった・・・。でもあの欠点だけはいつまでたっても治らなそうなのよね。)

 パーフェクトに見える恵那にも1つだけ欠点があるようだった。

 (今回は大丈夫かなぁ・・・。この前みたいなことにならないようにしないと・・・。)

 恵那たちは途中の休憩所でスポーツドリンクを飲んだりして休憩した。
 「それじゃ、そろそろ行こうか!」
 「えー、もう少し休もうよー!」
 「ダメダメ! あんたの疲れが取れるまで待っていたらいつまでたっても出発できないでしょ!」
 「そんなー!」
 女子大生たちは、先に進むか否かでもめているようだった。

 「恵那さーん!」
 「そうね・・・・・。私もそろそろ出発しようかと思ってたところ。」
 「うーん、恵那さんが言うなら仕方ないか・・・・。」
 みなは、出発することに決定したようだ。

 (でも、その前に・・・・。)
 「ちょっと、トイレ寄って行っていいかな?」
 恵那は言った。

 「あ、いいですよ。」
 「私も行ってくる。」
 「私も!」
 何人かの女子大生が恵那についていった。

 (あっ・・・・・。)
 トイレに近づいていった恵那は顔をしかめた。
 トイレはボロボロで離れていても悪臭が漂ってきていたのだ。

 「うわー。きたなーい!」
 「ねぇ、他にトイレないの?」
 「多分、あれだけだと思う・・・・。」
 「どうしよう、あんなとこじゃトイレできないよ・・・・・。」
 「私まだそんなにしたくないし、あとにする!」
 「アタシもいいや!」
 どうやら、ほかのみんなはここのトイレを使わないようだ。

 (どうしよう・・・・・。)
 恵那は急に深刻そうな顔になった。
 (私もこんなトイレ使いたくないよ・・・・。でも使わないとこの前、映画見に行った時みたいに・・・・・・。)
 恵那は悩んでいた。
 パーフェクトな恵那が唯一克服できない欠点。それはトイレが近いことでした。

 数週間前に友達と映画を見に行っていた恵那。
 しかし、映画を見る前にトイレに行くのを忘れていた。
 必死に我慢しながら映画を見続ける恵那だったが、不幸にも水のシーンばかりのある映画で我慢は困難を極めた。
 なんとか映画が終わるまで我慢した恵那だったが、映画館のトイレには行列ができていた。
 仕方なく、近くの公園に行くが、トイレが古かったためにまたまた後回しにしてしまった。
 トイレを求めて歩き続ける恵那だったが、信号待ちの途中で、黒のショーツにオシッコが飛び出してきてしまい、急いで公園のトイレに引き返した。
 そして、個室に飛び込む恵那だったが、ズボンを脱ぐのに手間取りズボンをびしょびしょにしてしまった。
 一緒にいた友達にも笑われ恵那にとって一生忘れられないであろう恥ずかしい出来事となってしまったのだ。

 (あの時は、古いトイレだからと後回しにしたのが悪かった。ちゃんと早めにトイレを済ませておけば間に合った・・・・。同じ失敗を繰り返すわけにはいかない!)

 悩んだ末に恵那は決心した。

 「じゃあ、ちょっと待ってて!」
 恵那は言った。
 「ええっ! 恵那さん、あのトイレ行くの!」
 「あとでいいじゃん!」
 みな、恵那の発言に驚いていたようだった。

 (うう・・・・。覚悟はしていたけどやっぱり恥ずかしい・・・・。でも今更やめるわけには・・・・・。)
 恵那は顔が熱くなるのを感じつつも続けた。
 「う、うん・・・・。念のためね!」
 そう言うと恵那はトイレに入った。

 ボロボロで悪臭を放つトイレに1人入る恵那。

 (うう・・・・。中は本当に酷いにおい・・・・。それにハエがたくさん飛んでる・・・・・。で、でもここでトイレしておかないとまた・・・・・・・。)

 泣きたくなりながらも1番手前の個室に入った恵那。
 鍵をかけ、汚れた和式便器に跨る。長いあいだ掃除してないと思われる和式便器の周りにはオシッコが飛び散っていた。

 (やっぱり、山の上だとなかなか掃除の人も来られないようかな・・・・。ああ、ハエ多すぎ! 急いで済ませよ!)

 恵那は着ていたサロペットの肩紐のボタンを外した。
 そして、サロペットとショーツを下ろしてお尻を出した。
 サロペットの肩紐が床に触れたり、オシッコにかかったりしないよう右手でしっかりと掴む恵那。
 左手ではシャツにオシッコがかからないよう軽く持ち上げている。
 両手がふさがった状態で慎重にしゃがみこむ恵那。
 
 (ここで転んだりしたら悲惨ね・・・・。)

 おそらく後ろに倒れたら両手がふさがっているため手をつくこともできずオシッコまみれの床に倒れ衣服が汚れ臭いがしみついてしまうことだろう。

 (キャッ! ・・・・なんだハエが横切っただけか・・・・。危うく転ぶところだった・・・・。早くここから出たいよ・・・・。)

 ただ、オシッコを済ませておきたいだけなのにこんなに惨めな気持ちになるとは思わなかった恵那であった。


 2時間後。
 恵那たちは頂上近くまで歩いていた。

 「絶対、降りた方がいいでしょ!」
 「登った方がいいんだって!」
 「道に迷って食べ物もなくて疲れでフラフラなのに、さらに山に登っちゃってどうするのよ!」
 「それでも、登った方がいいの!」
 「うそだー! あ、恵那さんに聞いてみようよ! 恵那さん!」
 みなは、恵那の方を一斉に振り向いた。

 「えっ・・・・。」
 突然話しかけられて戸惑う恵那。

 「コイツが、山で遭難した時は山を登った方がいいっていうのよ! そんなわけないじゃん! すぐ山降りた方がいいじゃんって言っても絶対登った方がいいって言うのよ! バカだよねー!」
 友達が説明する。

 「あ・・・・・。そ、そうね。 遭難した時は実は上を目指した方がいいのよ。登る道は降りる道により少ないから途中でほかの登山者と合流できる可能性も高いしね。それに山は上の方が狭いから捜索隊に発見してもらえる可能性も高くなる。山によっては頂上が開けていてヘリから見つけやすいこともあるしね。」
 恵那は説明した。

 「そっか! 言われてみればそうかも!」
 「だから言ったじゃん!」
 「ごめんごめん! でも、恵那さん、本当になんでも知ってるんだね!」
 みなは再び恵那の知識に驚いた。 

 (うう・・・・。今は話しかけないでほしいな・・・・・。)

 恵那は作り笑顔をしつつも悩んでいた。

 (ああ・・・・・。オシッコしたい!!)

 恵那は尿意に悩まされていた。
 
 (せっかく、あんな思いをしてまでトイレしてきたのに・・・・・。)

 泣きたい気持ちになりながらも使ったオンボロのトイレ。
 しかし、周囲を飛び回るハエと悪臭、そして両手が塞がった状態などの条件がかさなり、リラックスできずオシッコは少ししかでてくれなかったのだ。
 それから2時間、休憩所で飲んだスポーツドリンクが形を変え、体の中から恵那を苦しめていた。

 (次のトイレまであとどれくらいだろう・・・・・。)

 マップを見て頂上付近にもトイレがあることがわかった。
 しかし、距離が曖昧にしか書かれていないため、トイレまでどれくらいの時間がかかるかはわからない。
 具体的な時間がわかれば、それまで我慢すればいいという目安になるが、それがないことも恵那の不安と尿意を高めた。
 パンツとズボンを濡らしてしまった数週間前の悲劇が頭の中に思い浮かぶ。
 
 (ダメダメ! なんとしてもトイレまで我慢しないと!)

 オモラシは絶対に避けたい恵那。
 今漏らしたら、前回よりもたくさんの友達に見られてしまう。

 (頂上のトイレは綺麗かな・・・・。い、いや、もういいや! どんなトイレでもいいから早くつかないかな・・・・。)

 オシッコがしたくてたまらない恵那。
 たとえ、さっきみたいなオンボロトイレであっても、今の恵那であればためらわず、大量のオシッコを放出することであろう。
 むしろ、トイレでなくても、今ここでパンツとサロペットを穿いたまま、オシッコを放出してしまいそうであった。


 さらに歩くこと5分。
 恵那の尿意は強まる一方であった。
 気づかれないように、そっとサロペットの上からパンツをつかみ、上に引っ張り上げ、出口を押さえていた。

 (トイレ行きたいって言おうかな・・・・。)

 恵那は思った。
 言ったところでトイレが近くにないことには変わりがない。
 しかし、少し気持ちが楽になる気がした。

 (でも、さっきトイレしたばっかりだし・・・・。)

 トイレに行ったのにまたすぐ行きたくなったというのがなんとなく恥ずかしく言い出せない恵那。

 (そういえば、みんな大丈夫なのかな? さっきしてなかったんだし・・・・・。)

 恵那がそう考えていると・・・。

 「ねぇ・・・。トイレ行きたくない?」
 1人の友達が言った。

 「ああ、めっちゃトイレ行きたい!」
 「うん・・・・。ああっ! こんなことならさっきしとけば良かった!」
 みな、次々と言い出した。

 (良かった・・・。みんなも我慢してるみたいだ。)
 
 なんとなく安心した気持ちになる恵那。
 もちろん、オシッコが漏れそうな状況に変わりはなかったが。


 さらに歩き続けること5分。
 恵那のオシッコ我慢は限界に近づきつつあった。
 オシッコの出口を思いっきり押さえたい気持ちを理性に必死に押さえつける恵那。

 (まだなの!? トイレ! おトイレさせてよ・・・・! )

 トイレになかなかたどり着けず泣きたくなる恵那。

 (漏れちゃう・・・・!! それに他のみんなも・・・・・。)

 となりを歩く友人たちを見る恵那だったが、先程までとは違いトイレの話はしていない。
 「ねぇ、富士山って世界遺産に登録されたんだよね?」
 「そうそう、やっぱり、日本の自然って言ったら富士山って感じだものね!」
 「えっ! でも、自然遺産じゃなくて、文化遺産なんでしょ?」
 「えー、何言ってるの! 富士山は自然じゃん!」

 (うう・・・。トイレ行きたいって言ったたの嘘だったの? 漏れそうなのはもしかして私だけ・・・・?)
 その様子を見てまた惨めな気持ちになる恵那。

 「ねぇ、富士山って自然遺産だよね!?」
 「違うよね、文化遺産だよね!?」
 友達が再び恵那に話しかけてきた。
 
 「えっと、富士山は・・・・・。」
 答えようとした恵那だったが、その瞬間。

 ちょろっ・・・・。

 恵那のレースのついた真っ黒なショーツにオシッコがちびり出してきた。

 前かがみになり、足を交差させオシッコと止めた恵那。

 「どうしたの?」
 友達が聞く。

 「ごめん・・・・。ちょっとトイレ行きたくて・・・・。」
 恵那は恥ずかしいのをこらえながら言った。

 「えっ、さっき行ってきたじゃん!」
 「またなの・・・・。」
 友達が言う。
 恵那は顔が赤くなるのを感じた。
 (も、もうっ!! さっきはみんなトイレ行きたいって言ってたじゃん!)

 「あ、ああ、でも私もトイレ行きたい!」
 「ああ! あたしもめっちゃしたい!」
 尿意を思い出した人たちもいるようだった。

 「とりあえず、急ごう! そのうちトイレあるはずだから!」
 友達が言った。

 (わかってるわよ! それができなそうだから困ってるんじゃないの!)
 恵那は思った。
 (で、でもトイレまで我慢できずに・・・・なんてできるわけないし・・・・・なんとしても我慢してトイレでオシッコしないと!)
 恵那はサロペットの上からショーツを引っ張り上げオシッコを我慢し続けた。

 ちょろ・・・ちょろろろろろ・・・・。
 
 再びオシッコが漏れ出してきた。
 黒のショーツを突き抜けてサロペットを濡らしてしまうのも時間の問題だろう。
 薄い色の恵那のサロペットだとシミが目立ってしまう。それだけは避けたい。
 恵那は遂に左手でサロペットの上から股間を押さえてしまった。

 「ねぇ・・・・・。大丈夫?」
 映画館での失態を目撃していた友達が言った。
 「我慢できないなら、もうそのへんでしちゃったら?」
 恵那は答えず恥ずかしそうにうつむいていた。
 (うう・・・。確かにこのまま我慢しててもいつになったらトイレつくかわからないし、我慢できなかったらマズイし・・・・。で、でも女子大生としてそれは・・・・・。)
 どうすればいいかわからず迷う恵那。

 「ああっ! 私ももうしちゃおうかな!」
 「マジ我慢できないよね!」
 別の友達の声も聞こえる。

 「ねぇ、しちゃいなよ! でないとまたオモラシしちゃうよ!!」
 (オモラシじゃない! ちょっと間に合わなかっただけなのに!)
 そう思う恵那だったが声を出す余裕はなかった。

 「ほら・・・・。してきなよ。漏らしちゃうよりマシだって。」
 恵那は友達に促され、道をそれ奥の方に向かって歩き出したが。

 ちょろろろろろ・・・・・。

 またまたオシッコが漏れ出してきた。
 (ダメ!! ズボンが濡れちゃう!)

 恵那は左手で股間を押さえたまま、右手でサロペットの肩紐のボタンを外しにかかった。
 しかし、焦ってしまいなかなか外れない。

 ちょろろろ・・・。

 オシッコは漏れ出し続ける。
 サロペットの前を濡らし、左手にはオシッコの生暖かい感触が伝わってきた。
 両手で前を押さえ、両足を上下させオシッコを止めようとするがなかなか止まらない。
 
 恵那は再び右手でサロペットのボタンと格闘しはじめた。

 「両手使わないと取れないよ!」
 一緒に映画に言っていた友達の声が聞こえる。
 (わかってるよ!! で、でも・・・・・。)
 両手を股間から離したらたちまち恵那のオシッコは全て漏れ出してしまうことだろう。
 そう考えるとどうしても片手だけでボタンを外すしかなかった。

 ちょろろろ・・・・・しゅううううう・・・・・。

 (ああっ! ダメ!!)

 恵那のオシッコの勢いが強まっていった。
 再びボタン外しを中断し、両手で前を押さえる恵那。
 だが、もうそれでも効果はなかった。

 しゅううう・・・・・。

 必死に前を押さえる恵那をあざ笑うかのようにオシッコの勢いは強まり続けた。

 (漏れちゃった・・・・・。どうしよう・・・・。)

 大きく変色し、オモラシの跡を残してしまったサロペット。
 靴にはオシッコがたまり気持ちが悪い。
 靴下も濡れていた。
 恵那は思わず泣き出してしまった。

 「もうっ! またもらしちゃったの! しょうがないわね!」
 友達が上着を脱ぎ、恵那の濡れたサロペットの股間部分を隠してくれた。
 すべてを完全に隠せたわけじゃなかったが・・・・。

 「ほら、いつまでも泣いてないで早く戻ろ!」
 (ああ、そっか! ほかにも我慢してる子たちがいるんだった・・・・!)
 そう考えると恵那は涙を止め他の友達と合流した。

 
 恵那にとってこの上なく不幸なことに、少し歩いたところにトイレはあった。
 しかも、途中にあったトイレが嘘のように綺麗なトイレだった。

 (うそ・・・・。)
 恵那は再び泣きそうになった。

 (もうちょっと我慢していればちゃんとトイレにできたのに・・・・・。)

 「あー、トイレトイレトイレ。」
 「もーれーるー。」
 他の友達はそんなことを言いながらトイレに入っていった。
 しかし、切羽詰った様子はなく笑いながら言っていた。
 
 トイレから戻ってきた友達。
 恵那は思わず彼女らの股間部分を見てしまった。
 しかし、恵那のように、ズボンが脱げず衣服を汚してしまったという人は当然いなかった。

 (どうして私だけ・・・・。)
 恵那はそんなことを考えるのだった。
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