悪魔の登場
ゼバルト王国は巨大な国だ。だが、元々は魔物住み着き、人間の住める土地はほとんどなかった。500年ほど前、ゼバルト一世が何百人という軍隊を引き連れて、魔物の頭、虹色龍を討伐した後に、魔物が減少し、ようやく人が住み始めた。その後も、王国は魔物と戦うための戦士や魔術師を養成し続け、王国の領土は広まり、100年ほど前にようやく現在と同程度になった。しかし、魔物も土地を取り戻そうと様々な策を企てて、人間に戦いを挑み続けている。いまだ、剣や魔法による戦いがたえないのがゼバルト王国の現状だ。
(はあ、はあ、頑張れ、負けるな!負けるなマナン!)
マナン。彼女もまたセバルト王国で今、戦っていた。とはいっても、剣も魔法も使えず、相手も魔物ではない。それは尿意との戦いだった。
町外れの小屋に住む、マナンは町の丘下市場に買物に来ていた。その、途中で催したのだが、周囲の草むらには魔物が潜んでいることもある。また、建物などの人工物はほとんどないため我慢するしかなかった。そして、ようやくたどり着いた市場のトイレはなんと故障中。食糧などの日常品を山ほど抱えた上に尿意まで抱えて町をさまよっていたのだった。
(どうしよう・・・家まではとても持ちこたえられそうにない。そうだ、役場。町の役場によって済ませてこよう。特に用事はないけど大丈夫よね・・・。)
丘下市場を出て、急な坂道を登り始めた。急いで役場に行こうと、足を大きく動かすが、逆に排泄欲を高めてしまう・・・。荷物の重みもマナンの膀胱を刺激した・・・。
(ふえーん、辛いよお、負けそうだよ・・・。何でこんなところに市場ができるの?隣町ではもっと町の中心地にあるのにー。)
ようやく、坂道を終え、役場が見えてきた。
(ああ、後、ちょっと・・・・)
ちび・・・・
(え、えええ。そんなあ、待って。我慢我慢・・・負けるな!)
下着を少しぬらしてしまった。だが、何とか食い止めた。
(後、ちょっと・・・。お願いします。誰か力を・・・私を救って・・・。)
マナンは祈りながらよたよたと歩き続けた。しかし、祈りは通じなかった・・・そこに悪魔がいるのだから。
悪魔デスギロンは呪文を唱え、人間から姿を隠し、人々を不幸にしてまわっていた。
今回はマナンがそのターゲットに選ばれてしまったのだ。
「市場のトイレを故障される呪文は成功したようだな。さて、次は役場に行くつもりなのか・・・、どうやって不幸にしてやろうか?」
悪魔は人間に聞こえない声でつぶやいた。
(後、数歩で役場・・・怖いおじさんじゃなくて、優しい受付のお姉さんだといいなあ・・・。)
役場から顔を出したのはそのお姉さんだった。年は2,3歳マナンより上といった感じ。しかし、5,6年勤務しつけたベテランだ。マナンは一瞬、祈りが通じたと思った。しかし、期待は裏切られた。
「あら、マナンちゃん。ごめんね、今日、王国の偉い人が視察に来ているの。急ぎでない用事ならまた今度にしてもらうよう言われているんだけど・・・。」
マナンは必死で、今すぐ、排尿しないといけないことを伝えた。
「本当にごめんなさい。マナンちゃんが辛そうだというのは痛いほどわかるけど、別のところ。三軒隣の戦士学校のトイレを借りてきてくれないかな?荷物なら持ってあげてもいいよ。」
(そんなあ、でもしょうがないよね。荷物がなくなれば楽になるだろうし・・・・)
マナンは役場を離れ、戦士学校に向かった。
(はあ、はあ、辛いよお・・・こんなことなら、市場でゼバルトティーなんか飲まなければよかった・・・・。)
ゼバルトティーとはゼバルト王国全土で有名な飲み物。お茶の一種であるため、利尿作用は強い。マナンは市場だけでなく家をでる前にも飲んでいたのだった。
(しょうがない、自業自得だ。でも、今度こそトイレができるはず・・・。)
マナンはやっとの思いで戦士学校についてしかし、人間には見えないが悪魔デスギロンが後ろにいる。普通に排尿を済ませることができるはずがなかった。
「お、マナンじゃないか、元気か!何か用か?」
マナンと同い年くらいの戦士が顔を出した。知り合いの学生で、ひそかに恋心を持つ相手でもあった。
(ふええん、いつもはなかなか会えないのに何で今日に限って・・・。)
「あ、はいいい!ええと・・・・特に用はないけどちょっと寄ってみただけというか・・・」
「そうか、まあ、ゆっくりしていけよ。ちょうど今、休憩時間だし、お茶でも入れてこようか」
「い、いえええ、いいですー!」
マナンの膀胱はもうゼバルトティーでいっぱいだ。これ以上、水分を取るわけにはいかない・・・
「遠慮しなくてもいいぞ。汗だくだくじゃないか?水分取っていきなよ。うまいぞ今日のゼバルトティーは。」
確かに、市場からずっと歩いてきたマナンは、焦りもあり、汗をかいていた。足をもじもじさせながら落ちつかない様子で周囲を見渡した。ずっと求めていたものが目に入った。
(うううう、あそこに行きたい、どうしても今すぐ行きたいけど、あの人がいる前でオシッコしたいなんていえないよお・・・しょうがない我慢だ。もう、子供じゃないんだし、もらしちゃうわけ・・・)
ちび・・・ちび・・・・
(・・ああ!あるかもー!)
二回目のオチビリをしてしまった。しかも、前回より長い。
「あのお・・・・オシッコ!いや・・・その・・・お手洗いを・・・」
マナンは遂にこらえきれずに言った。顔は真っ赤だ。
「え・・・あ、そうか役場に今日お偉いさんがくるんだったな。そっか、便所に行きたかったのか!すまんな、気付かなくて、向こうにあるから行って来なよ!」
マナンはようやく行きたかった場所へ行くことができた。場所はずっと見つめていたためすぐわかった。前を押さえて、よちよち歩きだ。
(ふえええん、最悪、恥ずかしいよー。でも、とりあえずオモラシだけは・・・。)
トマトのように真っ赤な顔のマナンは今度は顔を青くした。女子トイレの扉が開かないのだ。
ちびちびちび・・・しゃああああ
「扉が開かないよー。」
マナンは叫んだ。
「おいおい、そんなばかな、さっきまで大丈夫だったはずだぞ!」
若き戦士も思わず叫んだ!
「悪魔だ・・・・悪魔のせいだ!悪魔が悪い魔術で邪魔をしたんだ・・・!」
マナンは言った。その言葉を聴き、デスギロンは驚いた。
「何!私の行動が気付かれたのか!確かにゼバルト国には魔力の強い人間がいるため悪魔とはいえ、人間にその存在を時々気付かれることはある・・・だが、今回はそんなハズは・・・。」
「あら、どうしたの?」
女性の戦士がマナンたちに話しかけた。ここの学生のようだ。
「え、扉が開かない?ああ、ここの建物結構古いからね、力を入れないと開かないことがあるのよ。戦士になるために体を鍛えているから学生はみんな簡単に開けられるんだけどね・・・。知らなかった?」
「知っているわけないだろ!男だから女子トイレに入ることなんかないし・・・。」
若い戦士は続けた。
「悪魔か・・・・ハハハ、いや、わらっちゃいけないな。よし、これから頑張って立派な戦士になってマナンのために悪魔をやっつけてやるぞ!」
戦士学校を去りながらデスギロンは言った。
「市場、役場・・・そして、戦士学校で扉と恋人の操作の2回か・・・。呪文を使った回数は4回で少ないが、正体を気付かれそうになったことは減点かもな・・・。そして・・・」
デスギロンは続けた。
「恋人を登場させたことで不幸にするだけでなく幸福にしてしまったと解釈もできるかもしれないな。」
(はあ、はあ、頑張れ、負けるな!負けるなマナン!)
マナン。彼女もまたセバルト王国で今、戦っていた。とはいっても、剣も魔法も使えず、相手も魔物ではない。それは尿意との戦いだった。
町外れの小屋に住む、マナンは町の丘下市場に買物に来ていた。その、途中で催したのだが、周囲の草むらには魔物が潜んでいることもある。また、建物などの人工物はほとんどないため我慢するしかなかった。そして、ようやくたどり着いた市場のトイレはなんと故障中。食糧などの日常品を山ほど抱えた上に尿意まで抱えて町をさまよっていたのだった。
(どうしよう・・・家まではとても持ちこたえられそうにない。そうだ、役場。町の役場によって済ませてこよう。特に用事はないけど大丈夫よね・・・。)
丘下市場を出て、急な坂道を登り始めた。急いで役場に行こうと、足を大きく動かすが、逆に排泄欲を高めてしまう・・・。荷物の重みもマナンの膀胱を刺激した・・・。
(ふえーん、辛いよお、負けそうだよ・・・。何でこんなところに市場ができるの?隣町ではもっと町の中心地にあるのにー。)
ようやく、坂道を終え、役場が見えてきた。
(ああ、後、ちょっと・・・・)
ちび・・・・
(え、えええ。そんなあ、待って。我慢我慢・・・負けるな!)
下着を少しぬらしてしまった。だが、何とか食い止めた。
(後、ちょっと・・・。お願いします。誰か力を・・・私を救って・・・。)
マナンは祈りながらよたよたと歩き続けた。しかし、祈りは通じなかった・・・そこに悪魔がいるのだから。
悪魔デスギロンは呪文を唱え、人間から姿を隠し、人々を不幸にしてまわっていた。
今回はマナンがそのターゲットに選ばれてしまったのだ。
「市場のトイレを故障される呪文は成功したようだな。さて、次は役場に行くつもりなのか・・・、どうやって不幸にしてやろうか?」
悪魔は人間に聞こえない声でつぶやいた。
(後、数歩で役場・・・怖いおじさんじゃなくて、優しい受付のお姉さんだといいなあ・・・。)
役場から顔を出したのはそのお姉さんだった。年は2,3歳マナンより上といった感じ。しかし、5,6年勤務しつけたベテランだ。マナンは一瞬、祈りが通じたと思った。しかし、期待は裏切られた。
「あら、マナンちゃん。ごめんね、今日、王国の偉い人が視察に来ているの。急ぎでない用事ならまた今度にしてもらうよう言われているんだけど・・・。」
マナンは必死で、今すぐ、排尿しないといけないことを伝えた。
「本当にごめんなさい。マナンちゃんが辛そうだというのは痛いほどわかるけど、別のところ。三軒隣の戦士学校のトイレを借りてきてくれないかな?荷物なら持ってあげてもいいよ。」
(そんなあ、でもしょうがないよね。荷物がなくなれば楽になるだろうし・・・・)
マナンは役場を離れ、戦士学校に向かった。
(はあ、はあ、辛いよお・・・こんなことなら、市場でゼバルトティーなんか飲まなければよかった・・・・。)
ゼバルトティーとはゼバルト王国全土で有名な飲み物。お茶の一種であるため、利尿作用は強い。マナンは市場だけでなく家をでる前にも飲んでいたのだった。
(しょうがない、自業自得だ。でも、今度こそトイレができるはず・・・。)
マナンはやっとの思いで戦士学校についてしかし、人間には見えないが悪魔デスギロンが後ろにいる。普通に排尿を済ませることができるはずがなかった。
「お、マナンじゃないか、元気か!何か用か?」
マナンと同い年くらいの戦士が顔を出した。知り合いの学生で、ひそかに恋心を持つ相手でもあった。
(ふええん、いつもはなかなか会えないのに何で今日に限って・・・。)
「あ、はいいい!ええと・・・・特に用はないけどちょっと寄ってみただけというか・・・」
「そうか、まあ、ゆっくりしていけよ。ちょうど今、休憩時間だし、お茶でも入れてこようか」
「い、いえええ、いいですー!」
マナンの膀胱はもうゼバルトティーでいっぱいだ。これ以上、水分を取るわけにはいかない・・・
「遠慮しなくてもいいぞ。汗だくだくじゃないか?水分取っていきなよ。うまいぞ今日のゼバルトティーは。」
確かに、市場からずっと歩いてきたマナンは、焦りもあり、汗をかいていた。足をもじもじさせながら落ちつかない様子で周囲を見渡した。ずっと求めていたものが目に入った。
(うううう、あそこに行きたい、どうしても今すぐ行きたいけど、あの人がいる前でオシッコしたいなんていえないよお・・・しょうがない我慢だ。もう、子供じゃないんだし、もらしちゃうわけ・・・)
ちび・・・ちび・・・・
(・・ああ!あるかもー!)
二回目のオチビリをしてしまった。しかも、前回より長い。
「あのお・・・・オシッコ!いや・・・その・・・お手洗いを・・・」
マナンは遂にこらえきれずに言った。顔は真っ赤だ。
「え・・・あ、そうか役場に今日お偉いさんがくるんだったな。そっか、便所に行きたかったのか!すまんな、気付かなくて、向こうにあるから行って来なよ!」
マナンはようやく行きたかった場所へ行くことができた。場所はずっと見つめていたためすぐわかった。前を押さえて、よちよち歩きだ。
(ふえええん、最悪、恥ずかしいよー。でも、とりあえずオモラシだけは・・・。)
トマトのように真っ赤な顔のマナンは今度は顔を青くした。女子トイレの扉が開かないのだ。
ちびちびちび・・・しゃああああ
「扉が開かないよー。」
マナンは叫んだ。
「おいおい、そんなばかな、さっきまで大丈夫だったはずだぞ!」
若き戦士も思わず叫んだ!
「悪魔だ・・・・悪魔のせいだ!悪魔が悪い魔術で邪魔をしたんだ・・・!」
マナンは言った。その言葉を聴き、デスギロンは驚いた。
「何!私の行動が気付かれたのか!確かにゼバルト国には魔力の強い人間がいるため悪魔とはいえ、人間にその存在を時々気付かれることはある・・・だが、今回はそんなハズは・・・。」
「あら、どうしたの?」
女性の戦士がマナンたちに話しかけた。ここの学生のようだ。
「え、扉が開かない?ああ、ここの建物結構古いからね、力を入れないと開かないことがあるのよ。戦士になるために体を鍛えているから学生はみんな簡単に開けられるんだけどね・・・。知らなかった?」
「知っているわけないだろ!男だから女子トイレに入ることなんかないし・・・。」
若い戦士は続けた。
「悪魔か・・・・ハハハ、いや、わらっちゃいけないな。よし、これから頑張って立派な戦士になってマナンのために悪魔をやっつけてやるぞ!」
戦士学校を去りながらデスギロンは言った。
「市場、役場・・・そして、戦士学校で扉と恋人の操作の2回か・・・。呪文を使った回数は4回で少ないが、正体を気付かれそうになったことは減点かもな・・・。そして・・・」
デスギロンは続けた。
「恋人を登場させたことで不幸にするだけでなく幸福にしてしまったと解釈もできるかもしれないな。」
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